ヒトラーと同じ轍を踏まず。安倍総理は外交の舵をどう切るべきか

 

どうすればヒトラーは勝てたのか?

これ、わかりますね。ソ連と戦わずに、イギリスだけ攻めておけばよかったのです。で、同盟国の日本に、「アメリカと戦わなくてもいいから、イギリス軍がアジアから欧州に来れないように足止めしてくれ」と要求すれば、日本は動いたでしょうか?

とにかく、イギリスソ連同時に戦わず、イギリスだけ攻めておけば、勝ち目はあった。ところが、ヒトラーは愚かにも、アメリカ、イギリス、ソ連を同時に敵にまわした

日本の教訓

このように、実をいうと「勝利の方程式はシンプルなのです。

  1. 敵の数をなるべく少なくすること
  2. 味方の数を増やすこと

これで勝てます。

日本はどうでしょうか?民主党時代、日米関係日中関係日ロ関係日韓関係は最悪でした。日米関係は、「トラストミー」鳩山さんがぶち壊した。日中関係は、「尖閣中国漁船衝突事件」「尖閣国有化」で「戦後最悪」になっていた。日ロ関係は、メドが北方領土を訪問し、最悪になっていた。日韓関係は、李が「韓国に来たければ、日王は謝罪せよ!」といい、最悪になっていた。

これを、安倍総理が一つ一つ丁寧に修復してきたのです。総理のおかげで、日米関係、日ロ関係、日韓関係がよくなった。その結果、日中関係までよくなってきた。
しかし再び日本外交に暗雲が漂っています。日韓関係が最悪になっている。プーチンがまったく譲歩しないので、日ロ関係が悪くなってきている。日本が中国に接近しすぎるので、日米関係がぎくしゃくしている。日中関係だけ改善している。これ、どこからどう見ても戦略的ではありません

皆さんご存知です。中国の戦略は、日米関係、日ロ関係、日韓関係を破壊することで、日本を孤立させ、破滅させることです(この原文を再読して復習しよう!→「反日統一共同戦線を呼びかける中国」)。

だから日本の戦略は、日米関係、日ロ関係、日韓関係を良好に保つことで中国の戦略を無力化】させること。日本は韓国ロシアとの関係が悪化しています。

「むこうが悪いからだろ!」

その通り!ですが、事実は変えられません。それで、世界一喜んでいるのは習近平です。なんといっても、私たち日本国民が、彼の思惑通りに動いているのですから。

私も、ムカついたり、怒ったりします。しかし、最後には必ず、以下の言葉を思い出します。

戦略と感情が矛盾するとき、私たちは、必ず戦略を選択しなければならない。【また敗戦】したくなければ…」

image by: Everett Historical / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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