「ビジネスシーンでは報・連・相が大切」とよく言われますが、機能していない会社も多いようです。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で人気コンサルタントの中久保浩平さんが、その3つの中でも最も大切ともされる「報告」の効用を語っています。
報告のベネフィット
仕事の上で、報・連・相が大事だとよく言われますが、御社ではきちんと機能出来ていますでしょうか?
コンサルタントをしていると、報・連・相は、ほんとに大切だなと思います。
報告、連絡、相談を密に行っていれば、大きな火傷を負う前にリスク回避することもできるし、進めている事業や案件などでは、その進め具合によって精度の高い修正が可能となったり、あるいは、成果が出たときの報告によって、さらなるステージに向けて進むことが出来たり、そこでまた連絡・相談を繰り返してまた結果報告があって…など良い循環が自然に生まれてくるようになります。
いってみれば、コンサルタントなんてものは、この報・連・相の繰り返しです。
その中でも、報告。これが無ければ何もはじまりません。報告があって初めて、連絡や相談といった流れになります。で、先述したような効果が出てきます。
また、報告の効用は自分自身のためになるだけではありません。
facebookにツイッター、いわゆるSNSが盛んな今だからこそその効用は別のところでも発揮されます。友達のSNSでの投稿内容を色々と見ればわかると思いますが、結構みなさんリア充アピールやプラスイメージな日常の報告をしています。今日は、こんなことがあった、これを食べて元気になった、みたいな。
で、それを見て「いいね」と押すわけですが、「いいね」という言葉の持つ力もあるかも知れませんが、マイナスより気持ちがプラスになります。つまり、他人の結果が自分のモチベーションになったり、自分の嬉しい結果を報せることで他人のモチベーションに繋がる、というようなことがいえるのです。
そう考えると、嬉しい結果を報せるということは、他者にとっても有益な情報提供である、ということになります。ただし、ひねくれていたら逆効果ですよ(笑)。
「では反対に悪い結果やネガティブな時はどうすりゃいいの?」なんて思う人も中にはいるかも知れません。結論から云うと…。悪い結果や失敗したことなどネガティブな報告も実は他人へ有益な情報提供と成り得ます。
そして、有益な情報として得ることができる人はだいだい2パターンに分かれます。悪い結果や失敗したことを報せるだけで、単純に応援してくれる人が少なからず現れます。これがまず1つ目のパターン。さらに、報告する仕方によっては、提言やアドバイスを下さる人も現れます。これが2つ目のパターン。
「他人を応援することで、自分のモチベーションが上がる」。これは、スポーツ観戦でイメージしてもらえると分かると思いますが、応援しているときって、応援している人自身のテンションが上がっています。ちょっと思い浮かべてみてください。たとえば、サッカーのワールドカップ。応援している人みんな、テンション上がっていることがよく分かると思います。つまり、「応援する」という事自体パワーがいることで、その瞬間、エネルギーがみなぎっているのです。
そして、結果如何に関わらず応援したあとには多くの場合、充実感が得られ「自分もがんばろう」ってモチベーションに繋がります。もちろん個人差はあるでしょうが、大抵は応援するという行為が明日への活力であったり、自分への刺激になっているのです。と、まぁスポーツの応援とは違うというような意見もあるかも知れませんが、応援するという行為が自分への力になるということを知っておくだけでも有益なのです。
次に、提言やアドバイスをすることでインプット、アウトプットの訓練になります。これは、私自身がコンサルタントを通じて常に感じてきたことですが、提言やアドバイスをするには、自分の培ってきたことによる考えや経験を改めてアウトプットする必要があります。
つまり、失敗したという相手の報告から、自身の考えや体験から改善点を見出し伝える必要があるので、瞬時に頭の中を整理整頓しアウトプットする機会を得ることが出来ます。
さらに、それだけではなく、他人にアドバイスというカタチでアウトプットすることにより、自身の考えを再確認できます。その再確認したことを今後の自分の中で役立てることができます。
たとえば、こんな経験ないでしょうか?職場に新人さんが入ってきて、分からないことを聞かれます。「あのぅ~こういう場合、どうすればいいんでしょう?」。そんな時「あっ、それはこうするんだよ」と。これもアドバイスであり、自身の経験から「こうすればいいですよ」と伝えていることになります。
とまぁ、このようなことと同じで、失敗の大小に関わらず、それを報告している相手に対してアドバイスするということは、過去にインプットしているものを瞬時に脳内の引き出しから選択しアウトプットしているということになります。
つまり、アドバイスする側にとっては、思考を存分に働かせる良い機会となるし、今後、自分が同じような失敗をしないための施策を練り予防線を張ることができる機会となるのです。
ということで、良い結果も、悪い結果も報告や情報発信することは自分のためだけでなく、他人のためにもなるのです。報告は積極的に行いましょう。但し、報告は事実のみを知らせるようにするのが肝要です。
■今日のまとめ
「報告は他人にとって有益な情報となる」
- 先月を振り返り、自分の活動を総括する
- 上記でまとめたものを上長、同僚に報告する
- 社内で同様のことを取り組んでもらい、互いに共有する
- 上記のことを定期的に繰り返す
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