「すぐ、簡単、費用、効果」で決めれば間違いない仕事の優先順位

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店舗経営は日々、他店との競争を強いられている為、常に新しい販売対策案が求められる厳しい側面もあります。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、店舗経営以外でも活用できる、生み出された無数の対策案の中から短時間で優先課題を見つけ出す「4つの分類法」をレクチャーしています。

立てた対策の実行法

考えついた販売対策案は、どのように活かしていけばいいでしょうか。このメルマガの634号(2019年4月17日発行)は、「対策が分からないスタッフ」でした。今回は、その続編ともいうべきものです。

634号では、打つべき対策が分からないスタッフに参考になる本を読むように勧めたと書きました。すると、どうでしょう。このお店のスタッフ3名が、素直に本を読んでくれました。しかも、それぞれ50個以上の販売対策案を考えてくれたのです。驚きましたね。出てきても一人20個くらいまでだろうという私の予想は、見事にはずれたのです。

その上、全部で150個を超える対策案はテーマごとに分類し、一覧表にしてあるではありませんか。いやあ、お見それしました。その分類テーマは、「商品」「企画」「情報」「集客」「セール」など何と20個もあります

分類したのは良いけれど、これでは少し多すぎますね。あまり細かく分けると、かえって分かりづらくなります。そして、あれもしなくてはならない、これもしなくてはならないと、対策の優先順位が見えなくなってしまうのです。

では、どんな分類がいいでしょう。これは、4つに分類することです。4つというのは、「商品」「価格」「流通」「プロモーション」。そうです、「マクドナルドとモスバーガー、なぜお互いに事業が成り立つのか」で経営戦略の中の事業戦略を考えたとき、この4つについて考えましたよね。これに沿って分類すれば、おおもとの戦略と照らし合わせることができます。

そうすれば、4つの事業戦略と対策案がマッチしているかどうかが見えてくるでしょう。

優先順位の決定法

さて、対策案の分類が出来ました。次は、対策案の実行優先順位を決めます。実行順位を決めるポイントは次の4つです。

  • すぐに出来ることか、時間がかかることか
  • 簡単に出来ることか、難しいことか
  • 予想される費用は少ないか、多いか
  • 見込まれる効果が大きいか、小さいか

当然、すぐに出来て簡単で費用が掛からず効果が大きいと判断される対策から始めることです。その逆ならば、優先順位は低くなります。こうした基準にもとづいて、4つの戦略ごとの対策案実行順位を決めていきましょう。

例えば、今回の商品戦略に分類された対策の中に「社員全員に商品勉強会を開きお客様の役に立つ情報を発信する」というものがありました。これは、すぐに、簡単に出来て、費用がかからない対策案ですので、優先順位は高いです。大きい効果が出るかどうかは、やってみなくては分かりません。

一方、「当店オリジナルの商品を企画開発し、他店との差別化をはかる」という対策案も出ました。この案は素晴らしいですが、時間も費用も掛かります。簡単なことでもありません。うまく行けば効果は大きいと思われますが、実行順位としては後のほうになるでしょう。

価格戦略の実行順位も見てみます。「クーポンやポイントを発行して、購買動機につなげる」という対策案がありました。これは、すぐにでも出来そうなことです。簡単な方法で、費用の掛からないやりかたを探せれば、優先順位は高いですね。

また「自社在庫を処分販売するのではなく、メーカーさん問屋さんの処分在庫を仕入れて販売し、利益を確保する」という対策案がでました。これは、交渉には時間がかかるかもしれませんし、簡単ではないかもしれません。しかし、交渉に費用は掛かりませんし、効果の点から見ると重要度は高いです。優先順位は高めた方が良いでしょう。

このような判断も入れながら、優先順位を決めていくと良いです。

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