しかし、非核化交渉が足踏み状態に陥った中で、北朝鮮のこのような態度は、過去に回帰するような印象を与えている。それでも対立と反目、和解と戦略的交渉というこれまで何回も繰り返された轍を踏むことはあってはならないという評価だ。
「ミサイル防衛システムを回避することができる先端武器体系という点で、国際社会が共通共同で非難し、国連安全保障理事会でせねばならないことは積極的にやり、これまで1年半の間引きずってきた北朝鮮の非核化交渉がまだその火種は生きているのだ。過去30年余りの間、ジュネーブ合意以降、ほぼ30年近く経つ間、実際にこんなに長く北朝鮮が何の挑発もせずに交渉に素直に応じたことは一度もありません。これからはこの交渉の火種を生かし、とにかく、北朝鮮を交渉の場から出て行かないようにし、北朝鮮が何とか核をあきらめることができる交渉に引っ張っていくことが政策の優先順位の最優先にあるものだと私はそのよう見ます」(キム・ジンム/淑明女子大国際関係大学院教授の言)
節目ごとに核とミサイルで突破口を見つけようしてきた北朝鮮。しかしその武器は、数十年後最終的にブーメランとなって自分を孤立させる結果をもたらした。やっとこさっとこ醸成されてきた対話のチャンス…北朝鮮がこれ以上軍事力ではなくして会話によって国際舞台に出てこなければならない理由である。
それをどうやって北に理解せしめるか。米、韓をはじめとした周辺国がやらねばならない課題だが、だんだん、昔といっしょになってくるんじゃないかという一抹の不安はある。トランプがどんなやり方でこの膠着状態を脱するのか。トランプに負うところが大きいものと思われる。(安倍首相やムン・ジェインではょっとむりかも)。
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