韓国のシステムでは迎撃困難。専門家が見た北朝鮮の発射ミサイル

 

「防御ミサイルシステムというのは、弾道ミサイルの軌跡を計算し、それに合わせて終末段階で迎撃するもの。ところが、今回のミサイルのような場合は、弾道ミサイルの軌跡を描くけれども、一番最後の部分では自分が希望する打撃方向に下降して、またあがって速度を高めた状態で再び目標地点を打撃するわけ。なので、韓国が既に持っているミサイル防衛システムの概念のもとではイスカンダル型のようなミサイルの迎撃が困難になると見なければならない」(イ・ホリョン/韓国国防研究院研究委員の言)

1970年代、エジプトからソ連産のスカッドミサイルを持ち込んだ北朝鮮は、「逆設計」方式で技術力を蓄積。以後1980年代半ば韓国全域を射程距離に置くスカッドミサイルの開発が完成され、1990年代には射程距離を大幅に増やし1,000km以上飛ぶ長距離ミサイルにまで発展させた。

1998年8月、北朝鮮は金正日の国防委員長の再任を前に、テポドン1号を発射する。射程距離約2,500キロ、北朝鮮の最初の長距離かつ多段階レベルのミサイルであるテポドン1号の発射で、北朝鮮のミサイルの脅威は急激に大きくなる

「テポドンがもたらした意味はとても大きかったです。1段推進体の変更、あるいは推進体全体の形状変更、次いでコンセプトの変更についてとても深刻に憂慮するしかなかった。まさにそのような点から見て長距離ミサイルを初めて試したという点、北朝鮮の長距離ミサイル開発に大きなエポックをもたらした事件とみることができるわけだ」(ヤン・ウク/韓国国防安保フォーラムセンター長の言)

しかし、北朝鮮がミサイル開発を重ねるごとに、国際社会も監視と制裁を強化してきた。

2003年2月には、東海(日本海)で最大射程距離100km以上の新型地対艦ミサイルを発射した北朝鮮。この時から米国防総省は、北朝鮮のミサイルに「KN(north korea)」というコード名をつける。本格的な監視体制に入ったのだ。国際社会の対応も迅速だった。

2006年7月には、北朝鮮の第二の長距離ミサイル「テポドン2号」発射直後、国連安全保障理事会は、最初の対北朝鮮制裁決議1,695号を採択し北朝鮮の行為を糾弾した。しかし、ミサイルと核に対する北朝鮮の執着は三大世襲を経る間少しも弱まらなかった

2012年4月、金日成主席の誕生日100回の閲兵式に参加したキム・ジョンウン委員長。

「我々の革命隊伍の陣頭に永遠に金日成同志と金正日同志の太陽旗が風になびき、常に私たちを新しい勝利に導くのだ。最後の勝利に向かって進もう!」(キム・ジョンウン、2012年4月の言)

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