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稲盛和夫も実践。仏教徒でなくても心に留めるべき「釈迦の説法」

人間は何のために生きていくのでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、そんな「人類の永遠のテーマ」とも言うべき問いに対する稲盛和夫氏の回答が紹介されています。

幸せを掴む心の在り方

15万部のベストセラーとなった稲盛和夫さんと五木寛之さんとの共著『何のために生きるのか』の出版から12年──。当時行われた出版記念講演会には、1,700名もの聴衆が詰めかけました。

講演のテーマは「何のために生きるのか」。その中で、稲盛さんは次のような発言をされています。

「私は、このたった一回しかいない人生を、精の限り、魂の限り、一所懸命に次ぐ努力をしていこう、そしてその成果を周囲の人たちいや地球人類のために使っていこうと思っております。そのようなダイナミックな生き方をしながら、世の中にお返してしていくことこそ、生きる目的ではないかと思っているのです」

いかがでしょうか?稲盛さんから発せられる熱量が、このわずかな言葉からも伝わってきませんか?本日はもう少しだけ、当時の講演録を収録した月刊誌『致知』の記事をご紹介します。

お釈迦様が説く、人生で一番大切なこと

皆さんの中で仏教を信じていらっしゃる方は多いと思います。

お釈迦様は、生きていく人間にとって一番大事なことは利他の心であると説きました。お釈迦様の心の神髄とは、慈悲の心です。思いやりを持った慈しみの心、それがお釈迦様の心の神髄であります。

この心は、他のものを少しでも助けてあげよう、よくしてあげようと思う心です。そうした心を持って生きていくことこそが人生の目的なのではないか。つまり、利他の行為を行うことが、人間にとって、まず一番に大事なことだと思うのです。

この利他の心の対極にあるのは、利己の心です。自分だけよければいい、という心です。このような利己の心を離れて、利他の心で人様をよくしてあげようという心で人生を生きていく。それが生きる目的だと私は思っているのですが、実は、これは口で言うほど簡単ではありません。

利他の心を持って人様に美しい思いやりの心で接しようという考えで人生を生きていこうと思えば、まず、現在生きていることに感謝をするという心が起こってこなければいけません。次に、そのような感謝の心が芽生えてきますと、自然と自分自身がどんな環境にあっても幸せだと思える心になっていくはずです。

「いや、私は決して幸せではありません。大変不幸な人生を生きています」

とおっしゃる方もおられるかもしれませんが、この世の中を見渡せば、そういう方よりももっと不幸な境遇の人もたくさんおられるはずです。そう考えれば、親兄弟が一緒にいられるだけでも幸せではないかという感謝の念が湧いてくるはずです。

つまり、どんな境遇であれ心のあり方によって幸せはそれぞれに感じられるものなのです。そう感じるようになるためにも、まず最初に、現在こうして生きているだけでも幸せだという感謝の念が起こってくることが大事なのです。

そのようにして自分が幸せだと思えるようになってきますと、その次には当然、他の人にも親切にしてあげたいという思いやりの心が生まれてくると思います。またそういう心が起こってこなければいけないのです。

したがって、利他の心を持つためには、まず自分が生きていることへの感謝の心を持たなくてはならないというわけなのです。

(月刊誌『致知』2006年6月号より)

image by: Shutterstock.com

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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