日本は活かせるか?安倍首相イラン訪問で広がった外交的チャンス

 

オバマ政権下では、これまでのアメリカの政権とは少し違い、イラン封じ込めとイスラエル防衛のために、そしてアメリカがかき回すだけかき回したアラビア半島の安定のため、イラン核合意を通じてイランを取り込み、ドイツ、英国、フランスなども巻き込んだ『監視下』にイランを置きました。

しかし、トランプ大統領は、他の政策の例にもれず、オバマ政権での“成果”をすべて覆し、イラン核合意からの一方的な離脱を宣言し、その後、対イラン制裁を強化しています。再度、アメリカとイランは直接的な衝突を含む緊張状態に入ったことは、ニュースなどを通じてご存知だと思います。

今や相互に威嚇しあい、共になかなか退けない状況に陥るほど、緊張は高まっています。トランプ大統領は「イランがこれ以上軍事的な威嚇を続けるのであれば、戦争も辞さない」と発言していますし、それに対抗してイランのロウハニ大統領は「脅威には脅威を。戦争には戦争を」と発言しています。

最近になって、トランプ大統領の対イランの口調は変わってきており、対話のチャンスを探っているような雰囲気を醸し出して、硬軟使い分けて打開策を探っているようですが、なかなかうまくいっていません。 そこでイランそしてアメリカが目を付けたのが、両国と良好な関係を保っている日本と安倍総理大臣です。恐らく現在、政治的なリーダーの中で、暴れん坊将軍のトランプ大統領がちゃんと話を聞く相手は安倍総理だけでしょう。それは世界中から認識されており、ゆえに各国の『安倍詣』が活発化しています。

恐らく日本にとって外交的には戦後最強の外交力でしょう。イランもその力は認識しており、ザリフ外相の突然の日本訪問にも表れているように、アメリカと対峙するにあたっての日本の持つ可能性に希望を見出しているように思われます。それは、恐らくトランプ大統領にとっても同じでしょう。

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