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地方の和菓子店は生き残れるか?戦略を人気コンサルに聞いてみた

読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、経営不振にあえぐ地方の和菓子店の再建策について相談が寄せられました。永江さんは、環境の厳しさを解説した上で「赤字が拡大する前にお店を閉めることをおすすめ」としながらも、「唯一の活路」としてヒントも提示しています。

地方の和菓子店の生き残り戦略とは

Question

質問ですが、もし永江さんが経営不振にあえぐ和菓子屋を再建するとしたらどのようになさいますか?先日友人に相談されたのですが、こんな時永江さんならどの様にコンサルやアドバイスをなさるのか知りたくなりメールしました。

地方都市のガラガラのシャッター街の中にある老舗の和菓子屋についてです。店舗のある地区は人口減少も激しく、老齢化が進んでいて若者の町離れが進み、店の継ぎ手や若い働き手もいなっくなってしまっているのが現状です。お店自体は景気のいい時期には県外に支店を数店出したりといい時代もあったそうです。

商品は饅頭などの和菓子で、10数点のラインナップです。1つあたりの単価は200円前後の商品で、箱詰のもので1,000円から5,000円があります。保存は1週間ほどききます。簡素なHPもあるのですが、WEBからの発注は殆どなく機能していないそうです。若者の和菓子離れもあり、購買層は地元の年配の方が多くを占めています。

売り上げは下降しているのですが、80年も地元で続くお店なだけに潰したくない、と相談を受けました。お店の再建や、売り上げを伸ばすことなど、もし永江さんならどのように現状を変革するようアドバイスしますか?是非ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。

永江さんからの回答

厳しいようですが、地方の和菓子店はよほど有名なお店かソーシャルでバズるような創作菓子を扱うお店でないと生き残れません。おじいちゃんおばあちゃんがやっている普通の田舎の和菓子店であれば、残念ながら累損が大きくなる前に店を畳む方が賢明だと思います。

というのも、田舎はこれから人口が減少していくのでどうしたってマーケットが小さくなっていきますよね。ましてや和菓子は高齢者が主たるターゲットですが、年金生活で糖尿病等を罹患して身体の具合も悪くなってくると、甘いお菓子ばかり食べていられないので市場規模はますます減少していきます。

加えて、最近ではスーパーやコンビニスイーツもそこら辺の無名のお菓子屋よりもレベルが高いものを大量生産しているので、消費者のニーズは満たされています。わたしが先週滞在した奄美大島も大きな街で歓楽街も多いのに、和菓子店はほとんどありませんでした。

「とらやの羊羹」や「萩の月」などの超有名菓子であれば別ですが、無名の和菓子店がそんな厳しい市場・競争環境の中で生き残っていくのは至難の業でしょう。

唯一活路があるのは可愛くてインスタ映えする創作和菓子・洋菓子や手の込んだバースデーキャラクターケーキです。わたしも先日Twitterでシェアしましたが、このようにソーシャルで話題になりネットで売れるような事業展開なら可能性はあると思います。ただ絵心やデザインセンスもSNSのリテラシーも必要ですし、若いオーナーではなくおじいちゃんおばあちゃんが経営する昔ながらのお菓子店では正直難しいでしょう。

厳しい現実ですが、田舎にある有名でない和菓子屋さんは無くなっていくのが必定だと思います。率直に言って、赤字が拡大する前にお店を閉めることをおすすめします。

image by: Shutterstock.com

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商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。

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