私たちのところに来る相談の中でも、茨城県は、いじめを解決しにくい県の一つです。それは学校、教育委員会が「いじめではない」「加害者の人権もあるので、簡単には叱れません」「いじめられる側にも問題があります」「いじめ防止対策推進法はよくわかりません」などなど、いじめ被害者を貶(おとし)める言葉を保護者に投げかける事例に出会うことが多いからなのです。県教委、各市教委に何かしらの共通の隠蔽意識があるようにしか感じられません。このままで良い訳がありません。私たちは「いじめの放置、いじめへの加担、いじめ隠蔽をした教師を懲戒処分とする」ということを「いじめ防止対策推進法」に明記すべきだと訴えておりますが、加えて「管理職には一般の教員よりも一段と重い厳罰」を科すべきだということも法制化すべきです。
昔から教師は「聖職」と言われてきました。子供たちにその言葉や行動、そして思いを見られても「恥ずかしくない」ものでなくてはなりませんし、「先生のような人間になりたい」と思わせるような「あこがれの存在」であり続けていただきたいものです。それには、自らに厳しい姿勢、責任を取る姿勢が不可欠なのです。
夏休みのここ1か月、いじめられていた子供たちは、家族に守られて生活できます。この期間にぜひとも精神的にも回復し、新学期を迎えて欲しいと思います。また、保護者としては、学校が始まる前後は、特にお子さんの様子に気を配ってみてあげていただきたいと思います。不安なことやご質問がありましたら、ご遠慮無くご相談ください。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
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