なぜやる気のなかった男の子が「自由研究」で特別賞を取れたのか

 

最近ではネットでも話題になりました“38度の日は暑いのに38度のお風呂に入ると熱くないのはなぜか?”というテーマで研究した子供たちがいました。これは、愛知県の中学生グループの自由研究だったのですが、本で調べたり、パソコンで調べたり、さまざまな仮説を立てて、いろんな実験をしたのですが分からず、最終的に名古屋大学の先生と連絡が取れて、直接お会いしてアドバイスを頂き、さらに実験をして自分たちなりの答えを導き出したんですね。

結果的には、

  1. 気温38度の時には、発汗により気化熱が奪われるため、皮膚の温度が下がっていく。その結果、外部の気温と皮膚温の差が大きくなり、暑く感じる
  2. 38度の風呂に入った時は、水中では発汗による皮膚温低下がないことにより、すぐ皮膚温は38度になる。これにより皮膚温と湯温との差がなくなり、熱さを感じなくなる

という答えを導きだしたのですが、とても身近なテーマでありながらなかなか答えにたどり着かず、大学の先生とのやり取りや、仮説を立て実証していく積み重ねが見事だった…と、自由研究の全国大会で文部科学大臣奨励賞を受賞する事になりました。

まあ、これほど本格的なものは、夏休みの期間ではできないですし、もちろん親が協力しても答えまでは行きつかないですから、そこまでを望むものではありませんが、疑問を持つことや、調べてみること。仮説を立てて実証してみる事ができたら、すばらしい自由研究になると思います。ですが最初から“すばらしい自由研究”でなくても、最初は「調べてみるができるだけでも良いと思うのですね。

先ほど「自由研究 優秀作品」の画像検索をすると…と書きましたが、実際に検索をして頂くと、その中に“クルマエビ”についてとても細かくイラストにして特徴を書いたものや、地元の駅前商店街について「どんな系統のお店が多いか」や「どんな年齢層がこの商店街を使っているか」を調べたものもありますし、市や町の名所などを紹介したものもありました。

こんな風に近くにある何かを調べてみるだけでも立派に自由研究になりますし、もちろん新たな学びや、経験、そしてやりきった時には充実感も感じられると思います。

そこで「自由研究を何にしたらいいか?」「どう取り組んだらよいか分からない」とご相談頂いた方には、上記のように「まずは調べる事をやってみたら?」とお返事して、その題材として、いくつかをご紹介しておきました。

例えば、地元に残る名所や旧跡があったら実際に行ってみてその歴史や特徴を調べてみる。今、住んでいる街にはどんな道路標識があるのか調べて地図に記載してみる。他にも、危険とされているブロック塀がどれだけあるのか調べたり、土地の高低差(電信柱に海抜○メートルと表示されています)を調べて防災マップを作ってみる。住んでいる地域の、ゴミの分別がどのように分けられているか?を調べてみる。

又、昆虫が好きならば虫眼鏡を使って細かく見て、それをイラストにしてみたり、松ぼっくりを拾ってきて中の種を調べてみる(松の種には羽が付いていてひらひら舞うように落ちてきます)などをお勧めしておきました。

私もその後、どうなったかはお聞きしなかったのですが、お返事した中のお1人、花梨さんからご報告がありましたのでご紹介しますね。

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