なぜやる気のなかった男の子が「自由研究」で特別賞を取れたのか

 

以前、夏休みの自由研究で、どんな風にやったらよいかアドバイスを頂いた件ですが、なんと…特別賞を頂いてしまいました。パピーさんからお返事を頂いて「親が関わってあげてよい」と言われた事。PCで過去の優秀作品を見ながら「こうやって作ればいいんだな」とイメージできたことが大きかったです。

 

さすがに優秀作品の子供たちは、字もきれいですし、写真やイラストの配置も上手だし、色とりどりで、とても真似はできなかったのですが、それでもなんとか提出できてホッとしました。

 

パピーさんから題材についてもアドバイスを頂いて、息子に「こんなのが良いみたいだけどどうする?」と聞いてみたところ、「一番楽なのは何?」とやる気のない返事。私も「本人がやる気が無いのなら、あえて難しい事をしなくてもいいか」と、自宅から学校までの地図を作って、そこで電信柱の海抜表示の写真を貼って高低差を表示し、後はいくつか文章を書けばいいや…と、そんな気持ちでした。

 

四つ切の模造紙を2枚使い、地図はグーグルマップから拾って、コンビニで拡大すればいいし、海抜表示の電信柱の写真をとって地図に転記する…。パパにも協力してもらって、朝の涼しい内に電信柱の写真をとってパソコンに取り込み、プリンターで印刷して、電柱の写真を切り抜き地図に貼っていく…。案外早く作業も終わり、後はタイトルと、いくつかの文章を書くだけでした。

 

数日間、雨が降る日が続き、子供はプールも行けずに家でゴロゴロしていたので「もう自由研究を完成させちゃえば?」と言っていたのですが、なかなかやらず…。しだいに雨が強くなってきて、土砂降りになった頃に「低い場所の写真を撮りたい」と言い出しました。

 

「えっ?今から?こんな雨の中を行かなくたって…」と言葉が喉まで出かかりましたが、「そうか…自由研究のハザードマップに貼りたいんだ」とピンときて、子供を車に乗せて調べた電信柱をぐるっと回ってみました。案の定、低い位置には大きな水たまりができていて、そこをトラックがしぶきを上げて走り抜けていたり、傾斜のある場所では水が滝のように流れていたり、普段では目にすることがないような光景がそこにありました。

 

1時間ぐらいでしょうか?何枚も写真を撮るうちに、私も子供もびしょびしょになって家に帰り、その晩、撮った写真のいくつかをパソコンからプリントアウトして、低い場所や水が流れている様子を地図に張り付けて、水の流れも書き加えていました。そして息子が考え付けたタイトルは「雨が降るとあぶない所」で、結果の部分には「この研究をしたことで、たくさんの雨が降ると、あぶない場所がいくつもある事がわかりました」と書き、本人も満足したようです。

 

夏休み明けに、体育館で張り出され審査をされたらしいのですが、その時に審査員の一人だった町内会長さんが「3年生で防災を考え、豪雨の中、調査したことはすばらしい」と推薦してくださり、特別賞を頂くことになったのでした。

 

実はこれまでは賞などもらったことが無い子で、どちらかと言えば自信がない部類でした。運動も得意ではないし、勉強もできるわけではない、授業中もボーっとしていることが多く、何をするにもやる気の無い子だったのですが、1年生~6年生まで全学年が集まる全体集会の中で、壇上に上がって表彰してもらう事になり、友達やクラスメートからも褒められて、本人もとても嬉しかったようです。

 

それから、ちょっと様子が変わってきて、今まで言わなければやらなかった宿題も、自分からやるようになったり、テストの点が良くなってきたり、又、授業でも積極的に手を上げたりしているようです。「この頃、なんか変わったね」と子供に言ったら「そう。今、できるグループにいるんだよね。だから頑張らないとと思って…」との事でした。

 

一つの表彰でこんなに意識が変わるんだ、と驚きでしたが、やはり「認められること」「褒められること」は自信を与え、プラスの変化をもたらすんだな…と感動です。

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