人類滅亡を食い止める処方箋、肉食を減らし植林せよ

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スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんによる国連の国連気候行動サミットでの演説が話題となっていますが、本当に地球の温暖化は差し迫った状況にあります。先ごろ明らかにされた気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による最新の報告書について解説するのは、メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』の著者で沖縄在住現役医師の徳田先生です。徳田先生は、化石燃料の使用に関する対策に留まらず、畜産を諦め、アマゾンの森林伐採を止めることが必要だと訴えています。

不都合な真実への処方箋 食肉を減らすように

最近、国連から気候変動に関する特別報告書が出ました。最新の処方箋です。今回はこの報告書を紹介します。気候変動に関する政府間パネルIntergovernmental Panel on Climate Change(IPCC)から出されたものです。世界中から100人以上の専門家が参加したパネルです。処方箋内容をみてみますと、私が以前から提言し勧めていたこととほぼ一致しています。

まず、このままの対応では、地球温暖化を食い止めることができず、人々の生活は壊滅的打撃を受けるだろうと述べています。我々の予想を超えて温暖化は加速しています。では、そうならないようにするためには、どうすればよいのか。土地利用、農業、そして食生活について、根本的な変革を行うべきとしています。

推奨されている変革のうち、食生活について「食肉を減らすように」としています。私が以前から提唱していることです。温暖化ガスが畜産に伴って排出されるからです。牛は特に問題です。牛が食物を代謝することでメタン、すなわち温暖化ガス、が発生します。牛の呼吸や排泄物から温室効果の高いメタンガスが多く排出されるのです。

このままではアマゾンが砂漠になる

森林の伐採は炭素吸収源の破壊です。IPCCと世界の科学者たちは今アマゾンに注目しています。アマゾンは最強の地球クーリング装置です。しかし、ブラジル政府が森林伐採政策を進めており、これを阻止することが今、国際社会に求められています。現在、先進国の一部では貿易戦争で自国利益を追求していますが、待った無しでやるべきことはブラジル大統領の森林破壊をストップさせることなのです。

今、アマゾンの森林が燃えています。このペースで進むと、アマゾンは砂漠になります。そして、500億トンもの炭素量が30~50年かけて排出されるだろうと予測されているのです。パネルには各国政府の個別政策について強制する権限はありません。しかし、地球上の人々が団結して政府を動かすことは可能です。そうです、私達が動かすのです。

畜産と森林破壊、これらを止めることです。これまでの温暖化対策では、石油と石炭などの化石燃料の使用と自動車や航空機などの交通機関の使用に焦点を当てていました。確かに炭素排泄量は化石燃料と交通機関が総量として多いのですが、それに対する対策のみではもうもちこたえられないのです。産業革命以前と比べて1.5度以内に留めたい、とするパリ協定の目標達成はこのままではもう無理だ、ということです。全ての温暖化ガス排泄を徹底的に抑える。これが報告書の核となるメッセージです。

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