今年はワールドカップも日本で開催され、大きな話題となっているラグビー。今もっとも「旬なスポーツ」と言っても過言ではないかも知れません。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、そんなラグビーについての豆知識のあれこれを紹介しています。
スポーツの疑問(ラグビー編)
街ではラグビーワールドカップが話題です。日本代表が頑張っているお陰もありますが、ラグビー協会のマーケティングがうまく行っています。今までラグビーを知らなかった人たちには、新鮮な体験なのでしょう。ノッコン、オフサイド、ノットリリースザボール。代表的な反則用語も浸透しつつあります。大会後もラグビーファンが増えて、市場が大きくなると良いですね。
ところで、ラグビーはいつ頃、どうやって誕生したのでしょう。少しひも解いてみます。ラグビーというスポーツは19世紀の前半、イギリスで生まれました。当時のイギリスではサッカーが盛んにおこなわれています。そのルールは学校ごと決められていたようです。私立中学校の「ラグビー校」でもサッカーが盛んでしたが1823年のある日の試合でのことです。ウイリアム・エリス少年が、ボールを蹴るのではなく突然抱えて敵のゴールに向かって走りだしました。これが、ラグビーの始まりだと言われています。つまり、ラグビーは、学校の名前が起源でした。このエピソードは有名ですね。そして、ボールを抱えて走ったことが結構面白いと観客に受けて、徐々にボールを持って走るスタイルが普及していったそうです。スクラムが登場したのはいつ頃のことでしょう。それは知りませんが、1871年にはラグビー協会が設立されました。
では、サッカーから始まったのに、なぜラグビーボールは楕円形なのでしょう。持ちやすい形だからでしょうか。そういう説もありますが、ストーリーとして面白いのは、次の説です。
ラグビーボールとゴールポスト
ラグビーボールの起源にもラグビー校が関わっています。ラグビーではボールを蹴りますが、パスもします。どちらにしても軽くてよく飛ぶボールを作って欲しいと、少年たちは学校の前にあった靴屋さんに頼みました。すると、その店の職人さんは、豚の膀胱をふくらませてその上に皮を貼ったボールを作ってくれたそうです。豚の膀胱は楕円形なので、それ以来、ラグビーボールが楕円形になりました。実際にその方が軽くて遠くへ飛んだのでしょう。事実かどうかは分かりませんが、話としては面白いです。
そして、そのボールを作った靴屋さんの名前が「ギルバート」。今でもラグビーボールの有名ブランドです。今回のワールドカップでも公式球として使われています。ということは、ギルバートは200年近い歴史のあるブランドなのですね。
さて、ラグビーに関する次の疑問です。ラグビーはサッカーから生まれたスポーツだけにボールを蹴って点を入れることが出来ます。Hの形をしたゴールポストの横バーの上を通せば、3点か2点のゲットです。では、このゴールポストはどうしてHの形をしているのでしょう。高いボールを蹴ったときに、ちゃんと左右のポストの間を通ったかどうかを確かめるためでしょうか。それもあるとは思いますが、H型になったのには他の理由があるとのことです。
その昔のラグビーのルールでは、横バーによじ登ってキックを妨害することもできたと言います。ちょっとイメージができませんが、きっと今のようなゴールポストではなかったのでしょう。そこで、横バーによじ登ることが出来ないようにしたのがH型のゴールポストの登場というわけです。ラグビーのルールは、時代に応じて変わっていきます。そんな変遷をしながらラグビーは発展して来たのですね。
ラグビージャージの話
次はラグビージャージの話です。今回のW杯出場20か国代表チームのラグビージャージは、それぞれスポーツメーカーがサポートしています。一番多いのがカンタベリー。7か国が使っています。さすがですね。アディダス、ナイキ、アンダーアーマー、ルコックといった有名な海外ブランドもサポートしています。また、マクロン、BLK、ISC、オックスブリッジはラグビー以外ではあまり馴染みのないブランドです。そして、アシックス、ミズノの両国内ブランドも頑張っています。良いですね。
それはともかく、ラグビージャージと言えば日本人には「横縞模様」に馴染みがあります。実際、日本代表も赤と白との横縞模様です。特に伝統校のジャージは横縞模様ばかり。一方、海外のチームのほとんどは単色のジャージです。例えば、ニュージーランドは黒、スコットランドは紺、アイルランドは緑、イングランドは白、ウエールズは赤、南アフリカは緑、フランスは青、オーストラリアは金、といったように。
どうして日本のジャージは縞模様ばかりなのでしょう。ある解説本によれば、チームの数が多いので、単色だけでは色の数が足りないからだそうです。ラグビーの試合は敵味方の選手が入り乱れるので、ユニフォームの色が似ていると、色の見分けが難しくなります。そこで、二色使いの縞模様で色の組み合わせを増やしたとのこと。この説は、本当なのでしょうか。どうも違うような気もします。スポーツメーカーさんなら、そのあたりの事情に詳しいことでしょう。教えて欲しいですね。
いずれにしても、素材やプリント技術が向上してデザインがしやすくなったのは事実です。今後のおしゃれなデザインのジャージに期待します。
■今日のツボ■
- ラグビーは学校の名前が由来である
- 楕円形のラグビーボールは、イギリスの靴職人が作った
- 日本のラグビージャージは横縞模様のものが多い
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