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相次ぐ自死に怒り。三菱電機ブラック企業大賞2年連続受賞の異常

ブラック企業大賞委員会は12月23日、「ブラック企業大賞2019」の受賞企業を発表。大賞は2年連続で「三菱電機」が受賞したと毎日新聞などが報じた。特別賞には、「株式会社電通」「株式会社セブン-イレブン・ジャパン社」が選ばれた。


ブラック企業大賞委員会とは?

「働き方改革」などで労働環境が見直されているが、問題はまだまだ根深く残っている。きわだった「ブラック企業」の存在は、取り上げられたとしても一時的。企業全体や働く場全体の質の向上には繋がっていないという。そこで、事例やそれらの企業を生み出してしまった背景、社会構造の問題を広く伝えるためにできたのが、ブラック企業大賞委員会である。

ブラック企業の定義

ブラック企業大賞委員会が定める「ブラック企業」の指標は、長時間労働やセクハラ・パワハラ、いじめ、長時間過密労働、低賃金、労組への敵対度など11項目。これらの項目を総合的に判断し、企業を選出する。2012年には「東京電力」、2013年には「ワタミフードサービス」、2014年には「ヤマダ電機」、2015年には「セブン-イレブン・ジャパン」、2016年には「電通」、2017年には「アリさんマークの引越社」、そして昨年には「三菱電機」が大賞を受賞している。

今年のノミネート企業は?

今年は、8社1自治体がノミネートした。結果は以下の通り。

【大賞】三菱電機株式会社(メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社)

【特別賞】株式会社電通/株式会社セブンーイレブン・ジャパン社

【#MeToo】長崎市

【ウェブ投票賞】楽天株式会社

※ウェブ投票の結果

「三菱電機」の受賞理由

三菱電機は2014年以降、社員が自死したり精神障害を発症したりするケースが多発している。男性社員5人が長時間労働によって精神疾患などを発症し、うち2人は過労自殺していたことがおととし発覚。昨年「ブラック企業大賞」を受賞したにも関わらず、19年8月には再び20代の男性新入社員が自殺した。教育主任から「死ね」といわれたなどのメモも残されており、当時主任だった30代の男性社員が自殺教唆の疑いで書類送検されている。また、三菱電気の子会社「メルコセミコンダクタエンジニアリング(MSEC)」でも、17年末に長時間労働による労災が原因で40代の技術者が自殺していた。

ブラック企業大賞委員会のコメント

三菱電機について、「あまりに異常なことが起きているといわざるを得ない。悲しみと怒りを込め、大賞として表彰する」とコメント。また、今年の傾向について「例年通り」とし、過労やパワハラによる自死や病気が多かったと報告。日本の「真面目に働いたら亡くなってしまう」という傾向が根深く残っていると語った。

Twitterの声










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source:ブラック企業大賞委員会毎日新聞

image by:TK Kurikawa / Shutterstock.com

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