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東大タレント推奨。幼稚園児のうちにしておきたい「6つの遊び」

昨年10月に幼児教育の無償化がスタート。とはいえ、年収によって限度額が設けられていたり、利用できる施設に制限があったりと、無償化という言葉が強調されているものの、実際のところは完全な無償化というわけではありません。しかし、小さなお子様を持つ家庭には何かと助かって嬉しいもの。子育てする環境がどんどん良い方向に向かえば良いなと思いますが、根本的に小さい子の教育の基本が家庭にあることは間違いありません。メルマガ『木村美紀が明かす家庭教育の秘策』の著者で東大タレントの木村美紀さんは、文科省が勧める「幼児期にふさわしい学び」と自身の子ども時代の経験を照らし合わせ、6つの大切な遊びを取り上げ、その遊びの中から何を学べるかを伝えています。

幼稚園児の頃にどんな過ごし方をすればよいか

今回取り上げるトピックは、幼稚園児の頃の過ごし方について。幼稚園といえば、令和元年の大きなニュースの一つとして、幼稚園無償化についてのニュースがあげられるのではないでしょうか。

内閣府HP
幼児教育・保育の無償化: 子ども・子育て本部 – 内閣府
上記サイトから、幼稚園無償化に関する情報について引用させて頂きます。

10月から幼児教育・保育の無償化がスタート   幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラスの子供たち、住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスまでの子供たちの利用料が無料になります。

さらに、詳しい内容をみてみると、以下のサイトにこのような記載がされています。
幼児教育・保育の無償化概要: 子ども・子育て本部 – 内閣府

○ 幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子供たちの利用料が無償化されます。  

  • 幼稚園については、月額上限2.57万円です。
  • 無償化の期間は、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。(注)幼稚園については、入園できる時期に合わせて、満3歳から無償化します。
  • 通園送迎費、食材料費、行事費などは、これまでどおり保護者の負担になります。ただし、年収360万円未満相当世帯の子供たちと全ての世帯の第3子以降の子供たちについては、副食(おかず・おやつ等)の費用が免除されます。

幼稚園無償化によって、家計も助かって、幼稚園に行きやすくなり、ありがたいことだと嬉しく感じるご家庭も多いのではないでしょうか。ますます幼稚園の重みが増してきそうですね。

さらに、私が気になった、幼稚園に関する最近の話題といえば、今年の12月、文部科学省が作成してネット上に公開した、「幼稚園教育パンフレット」です。私もさっそくパンフレットを見てみました。幼児期の終わりまでにどんな子どもに育ってほしいか、そのために何をしたらよいか、などがまとめられています。

こちらから幼稚園教育パンフレットをダウンロードできます。
幼稚園教育パンフレット(※幼児期の終わりまでに育ってほしい姿):文部科学省

一人一人のよさを未来へつなぐ―学校教育のはじまりとしての幼稚園教育―
 
1 表紙
2 生きる力の基礎
3 幼稚園から高校の学校教育を通して育む力
4 小学校以降の生活や学習の基盤を育成
5 幼児の学びの質を支える教師
6 預かり保育・子育ての支援 裏表紙

タイトルや章立ては、上記のようになっています。パンフレットの内容と照らし合わせながら、我が家では幼稚園の頃どんな過ごし方をしていたか振り返りつつ、幼稚園の頃にどんな過ごし方をすればよいか、考えてみたいと思います。

というわけで、今回のテーマは、「子どもが幼稚園児のころにぜひやっておきたい、6つの過ごし方」についてです。

 (1)野菜を育てて収穫する

幼稚園教育パンフレットでは、幼児期にふさわしい学びとして、「野菜を育てて収穫する」ことが紹介されています。今の時代、家の中で、スマホやタブレットを使って動画をみせたり、テレビを見せたりして、子どもの興味を引き出すことも多いかもしれませんが、家にこもりきるのではなく、自然と触れあうことも大事なことですよね。

大自然のきれいな景色を見せるのも良いことだろうと思いますが、ただ見るだけではなく、自然と触れあう経験も大事だと思います。植物、動物、昆虫などを見て、触れて、生き物について知ることは、子どもの成長を促す上で、大きな意味をもつでしょう。

野菜を育てて収穫するのも、大切な経験になります。野菜はスーパーでたくさん目にすることができますが、スーパーの野菜は収穫した後のものなので、自然の中で、どのように生えていて、どこの部分を食べているのか、スーパーの野菜からはなかなか想像できません。

野菜を自ら育てて収穫する経験をすれば、どのような姿で自然の中で野菜が育っていくのか知ることができ、植物という生命のあり方を学ぶ貴重な機会となるでしょう。都会では畑で育てる経験はなかなか難しいかもしれませんが、家の庭や、マンションのバルコニーなどでも、小さいスペースで育てられる野菜もあります。

我が家では、マンションのバルコニーで、トマト、細ネギ、ハーブなどを育てていました。バルコニーで育てている細ネギを収穫してすぐ、そのまま切って、料理の薬味として使うこともよくありました。

小さい頃の記憶をたどると、「ネギって、すぐ伸びるなぁ~」と成長のはやさに感動していたのを、今でもなんとなく印象として覚えています。これもスーパーのネギを見ただけでは分からない感覚なので、家庭栽培することで生命力を感じることができて良かったと思います。

家のバルコニーだけでは狭いので、育てられる野菜の種類や量には限りがありますが、やっぱり広い畑は、いろんな種類の野菜がたくさん育てられるので、子どもにとっても新鮮にうつり、多くのことが学べます。

我が家の場合、祖父母が持っていた畑に連れて行ってくれて、トマト、ナス、キュウリ、みかん、ブドウ、ブルーベリーなど、野菜や果物がどうやって育っているのかを、直接自分の目でみて、「自然ってすごい!」と感銘を受けたのを覚えています。

そして、畑に行って、実際に収穫もさせてもらいました。収穫のお手伝い、という感じでもありますが、収穫するのは子どもにとって非日常体験ですごく楽しくて、遊びの一つのような感覚でワクワクしていました。

実際に自分で収穫することになると、どこを切ったらよいか、どこをもいだらよいか、最初は分からず、やってみて初めて学ぶことも多かったです。収穫する前は、どんな姿だったのか、目に焼き付けることができます。例えば、キュウリの花がどこについていて、何色の花か、など学べて、それはスーパーのキュウリを見ただけでは分からなったことなので、すごく新鮮で面白かったです。

さらに、私は、野菜や果物のスケッチもしていました。野菜や果物がどのような形で、全体像がどのようになっているのか、どの部分を収穫するのか、など、記録することができますし、手を動かして野菜や果物の形をマネして描くことで、観察眼も磨かれて、細かい所までよく気付くようになりました。

近くに野菜を育てて収穫する場所がない場合は、ちょっと遠出して果物狩りなどに行くのもいいですね。

(2)砂場や浜辺でどろんこ遊びをする

幼稚園教育パンフレットには、幼児期にふさわしい学びとして、「砂場で遊ぶ」ことがあげられています。

現代では、砂場で遊ぶと手などが汚れて、土壌細菌などに触れてしまうこともあるために、衛生面を心配して、砂場遊びを避ける家庭もある、という話を聞いたことがあります。

一方で、自然のいろんなものに触れることで、子どもは免疫力をつけていく、という考えもあるようですし、砂遊びをした後に、しっかり手を洗う習慣をつけさせることも、きっと子どもに教えたい大事なことの一つでしょう。砂に触れて、土の感触を知ることで、触感を養うことができ、土で何かを作る遊びは、想像力を養うこともできます。

我が家では、家の近くの公園に連れていってもらって、砂場でよく遊んでいました。砂で団子を作ったり、お城を作ったりして、楽しく遊んでいたのを今でも覚えています。

あと、我が家では、海にもよく連れていってもらい、家族みんなで潮干狩りをしたのを今でも覚えています。スコップやバケツをもって、浜辺に行って、家族で誰が一番たくさんとれるか競って、一生懸命になって貝を探したのも、楽しい思い出です。

浜辺では、どろまみれになって、水着から砂がたくさん出てくる感じでしたが、泥って、砂よりも形が変幻自在に変わって面白いし、子どもにとっては、どろんこ遊びは最高の遊びでした。

大人になって、どろんこ遊びをする機会は少なくなるので、無邪気になって泥まみれで遊べるのは、子どもの特権ですね。スライムのような触感に触れて、形を自由に作れるワクワク感で創造力がはたらいて、いろんなところが刺激されるのではないでしょうか。

自然の大地は、土でできている。土に触れて、大地の恵みを感じることも、子どもの成長にとって大事なことだと思います。

(3)お店屋さんごっこをする

幼稚園教育パンフレットには、幼児期にふさわしい学びとして、「品物を作ってお店屋さんごっこをする」ことが載っています。野菜のおもちゃを使って、八百屋さんごっこ。ケーキのおもちゃを使って、ケーキ屋さんごっこ。お花のおもちゃを使って、お花屋さんごっこ。パンのおもちゃを使って、パン屋さんごっこ。

そういうお店屋さんごっこをする経験を通じて、将来の夢もきっとふくらむことでしょう。「大きくなったら、ケーキ屋さんやお花屋さんになりたい」と憧れる女の子は多いし、私も小さい頃そう思っていました。理由は単純で、ケーキ屋さんになったら、大好きなケーキにいつでも囲まれて過ごせるし、好きな時にたくさんケーキが食べられるから。

お店屋さんごっこは、将来の仕事の模擬体験でもあります。子どもが店員役、他の子どもがお客さん役をやることで、ものを売って買うとはどういうことかを学ぶことができます。お金のおもちゃもあると、金銭感覚も身に付けられます。そうして社会性を養っていくことになります。家庭で親子一緒にお店屋さんごっこをすることで、いつかこんなお店を本当に作ってみたいな、という夢が芽生え、子ども社長や起業家をめざすことにもつながるかもしれません。

我が家でも、何かを真似る「ごっこ遊び」やよくやっていました。レストランごっこは、おもちゃの包丁を使って、切れ目が入っている食材のおもちゃをパカッと切って、料理をするマネをして、ごはんを出す遊び。私は、シルバニアファミリーのお家や人形をそろえて、お家ごっこをするのも好きでしたが、それもお店屋さんごっこに似ている部分があって、なりきってマネをすることで理想や憧れが形づくられていきました。

こんなお店があったらいいな。こんなお家があったらいいな。子どもは想像をふくらませて、理想や憧れを生み出していきます。子どもは、とにかくマネをしていろんなことを覚えていくので、「ごっこ遊び」をすることで、必要なことをどんどん学べますね。

(4)みんなで絵本を見る

幼稚園教育パンフレットには、幼児期にふさわしい学びとして、「みんなで絵本を見る」ことを載せています。絵本を読み聞かせるのは、生まれてから赤ちゃんの頃にもよくやることですが、幼稚園に行くようになると、「みんなで」絵本を見るという経験ができます。

絵本を大人が読み聞かせすることは、大きな意味があります。まだ完璧に理解はできなくても、絵を見せて興味を示し、そばにいる大人が語りかける声を聞いて、声に反応し、本を通じて、言葉を学んでいくことになります。

絵本には、いくつかの要素がつまっています。色彩豊かな絵をみて、美しい色や形を学び、芸術的感性を育む。伝えたいことを表現する言葉を見て、聞いて、ボキャブラリーを増やす。言葉がつながると物語が生まれ、ストーリー展開を理解する力をつける。絵と言葉から、頭の中でリアルな世界をイメージして想像力を養う。テレビや携帯動画は、受け身で一方的に受け取ることが多いですが、絵本は、能動的に自分で世界を構築することが必要なので、絵本を通じて、新しく作りあげる力を育てることもできます。

大人が絵本を読み聞かせをすることで、さらに効果が増すでしょう。文字という動かない記号に絵と声をのせると、頭の中で動くものになる。二次元の世界が、頭の中で三次元の世界に変わります。テレビや携帯動画は、静けさのない連続的な人工の音ですが、絵本を読む声には、静けさの中から生まれるぬくもりがあります。大人に読んでもらうことで、生の声から、温かい愛情を感じます。絵本の読み聞かせは、愛情表現の一つでもあると思います。

同じ絵本を何度も読み聞かせすることは、繰り返し同じ言葉が出てくるので覚えやすいというメリットがある一方、読み聞かせをする親としては毎回同じ言葉に飽きてしまう、というデメリットもあるでしょう。そんな時には、文字のない、絵だけの本がオススメです。文字のない絵本は、母親が絵を見て独自の言葉で描写するので、母親の感じ方によって毎回発する言葉がちがって、変化があります。母親の想像力をかきたてるので、飽きがこないでしょう。

本屋や図書館にいって、興味のわきそうな絵本をたくさん選んで、 絵本のバリエーションを増やすのもいいですね。幼稚園に入ると、「みんなで」絵本を見る、という経験ができますが、絵本に向かって集中する力を養うことにもなりますし、大勢がいる所で静かにして聞くという協調性を養うことにもなるでしょう。

幼稚園に行けば、年齢に応じて適切な、質のよい絵本を見せてくれるので、幼稚園に子どもを預ける親としても安心ですね。

(5)自由に工作をする

幼稚園教育パンフレットでは、幼稚園での遊びとして、どんな学びがあるのかな?と、次のような例が書かれています。

<学びの例>

こうした例から連想される遊びとして、自由工作があげられるのではないでしょうか。

自由に自分の好きなものを、身近な素材や道具を使って作り上げてみるのは、子どもにとって、とても楽しい作業であり、親としても出来上がり作品が楽しみです。彫刻などの複雑で難しい作業は、安全面からしても幼稚園児にはまだできないけれど、折り紙でも、段ボールでも、粘土でも、身近な素材を利用して、のりでも、ガムテープでも、身近な道具を使って、簡単なものを作ってみるのが良さそうです。

幼稚園なら、友達と一緒にワイワイしながら自由工作ができるので、「こんなもの作ってみたい」「いいね」といった交流をするうちに、また新しいアイデアが生まれる経験もすることができるでしょう。世界でたった一つのオリジナリティあふれる新しい作品を完成させることは、達成感を味わう快感を体で覚えることにもつながり、ものづくりの楽しさを体感する喜びを生み出すことでしょう。

私も小さいころに、自由工作を楽しんでいたのを覚えています。粘土で好きな食べ物や人間をつくって、色をぬったりもしたし、卵のから、みかんの皮などの自然食材を使ってオブジェを作ったりもしました。から、皮など、普段は料理で使わずに捨ててしまうような部分も、芸術作品になるのだ、というアイデアが子どもらしい自由な発想だなと思います。

自由工作の場合は、大人が導くのではなく、子どもの発想力にまかせて、豊かな感性を放出させてあげられるといいですね。

(6)色を使った遊びをする

幼稚園教育パンフレットには、幼稚園での遊びとして、次のような例も書かれています。

<色遊びの例>

小さい子どもにとって、色を学ぶというのは、とても大きな成長の一歩です。どんな色があるのかを知り、色の名前を憶えて、色の微妙な差に気付ける色彩力を身に付け、色が変わることの面白さを感じ、色の変化によって感じ方が大きく変わることを知り、どの色とどの色をまぜたら新しい色が作られるのかを学び、自分で色を作ることができるようになる。色を学ぶという過程には、いろんなステップがあり、どれも大切な一歩です。

我が家では、小さいころから、塗り絵の本をたくさん買ってもらって好きなアニメの塗り絵をしたり、色鉛筆、クレヨン、絵の具などでたくさん絵を描いたりして遊んでいました。

塗り絵は奥が深くて、色を塗り分けるという作業によって、同じ青でもいろんな青があるといった色彩の違いに気付きますし、色を変えることで仕上がりが大きく変わるので、色彩がもたらす印象の違いを学ぶことができます。

赤ちゃんの時は視力が低くてよく見えなかった世界も、成長するにつれて視力が上がっていくと言われているので、そこに色彩の力をプラスすることで世界がどんどん広がっていきます。遊びを通じて、大切な力をどんどん身に付けていくのですね。

以上、幼稚園児のころの過ごし方について、具体的に6つの遊びをみてきましたが、当たり前のように通る道にも、成長していく上で大切な様々な意味があり、「遊び=学び」となるのだなと思います。年齢に応じていろんな遊びを体験させてあげて、感性豊かな子どもに育つといいですね。

image by:Shutterstock 

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