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北方領土で日本漁船が連行。浸透していなかった「新ルール」の罠

北海道根室市の漁協に所属する漁船「第68翔洋丸」が15日、北方領土周辺の海域でロシア当局に連行されたと、共同通信NHK日本経済新聞などが報じた。ロシアの国境警備局は、「漁船を検査をしたところ申告されていない漁獲物が見つかった」とし、必要な手続きをとるため北方領土の国後島に連行したと発表している。


他に臨検を受けた船はない

連行されたのは、根室市の歯舞漁協所属のマダラ底はえなわ漁船「第68翔洋丸」。当時、6人が乗船していたとのこと。外務省などによると、この漁船はロシア200海里内でロシアから許可を得てマダラやカレイをとっていた。しかし、漁を終えた15日午後、根室に戻る途中でロシア側の検査を受け、連行された。なお、現時点で他に臨検を受けた船があるとの情報はない。

先月も拿捕されたばかり

北方領土周辺の海域では、昨年12月にも根室市のタコ漁船5隻が、ロシア当局から国後島に連行された後、拿捕されている。このタコ漁船は、ロシア側に協力金を支払って行なう、安全操業の枠組みで漁を行なっていた。罰金を納めた後に解放され、根室市に戻っている。

漁業者「新ルール、初めて聞いた」

NHKによると、「船での加工は今年から禁止されている」と指摘されたとのこと。日本とロシアの間で操業条件を決める交渉の結果、今年から船内で多くの漁獲物の加工が認められなくなった。今回連行された漁船と同じ「はえなわ漁」を行う根室市の漁業者は、「初めて聞いた」と話している。新しいルールが現場に十分に伝わっていなかったがゆえに起きてしまった可能性が高い、今回の件。北海道は、緊急の指導会議を開く予定だ。

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source:共同通信NHK日本経済新聞

image by:Shutterstock

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