武田教授が警告。本当の恐怖は温暖化でなく「寒冷化」という事実

 

「地球温暖化」が問題視されているいま、本当の恐怖は「寒冷化」した世界

現在は「地球温暖化」というと怖いイメージですが、もともと「温暖な気候」というのは飢饉の恐れもないのですが、「寒冷化」はとても怖いもので、ヨーロッパでも日本の江戸時代でも、気候が寒冷化すると飢饉が訪れて大量の餓死者を出すのが普通です。長い歴史の中で気温が上がったから大きな被害が生じたというのは、特殊な例です。

シベリア、日本、アマゾンなどを思い出せばわかることですが、生物は高温多湿のアマゾンがもっとも繁殖し、シベリアは極めてゆっくりとしか植物も動物も成長しません。生物は生き物だから直観的にはわかりにくいけれど、体内の反応は化学反応なので温度に強く影響される。地球が温暖化すると、どこに住む生物も活発になるので、穀物、家畜、プランクトン、魚などすべての食糧生産は上昇し、飢餓の可能性は劇的に低下します。

今、地球温暖化が怖い、すぐにでも対策を取らなければならないと言っている人は、たとえば20年後から急速に寒冷化して作物が取れなくなり、餓死者が増えたらその責任をどうやってとるのでしょうか?温暖化ガスの上昇は緩やかなので、科学はそれほど将来を正確に予想できないことを考えて、100年ぐらいは様子を見ないととんでもないことになります。

温暖化と違い寒冷化は空気だけが冷えると不作になるので、影響が直ちに来るから大変です。これまでも環境運動家は、

  1. ゴミがあふれる
  2. ダイオキシンは猛毒だ
  3. 環境ホルモンで女性化する

などと社会を脅かし、それが間違いであってもまったく反省もせず、責任も取っていません。

日本は民主主義で言論の自由も認められていますが、そのかわり、自分の言ったことに責任を持つ必要があります。人生で一つや二つの間違いをすることがありますが、たとえば朝日新聞やNHKは繰り返し間違っていて、その責任を取ろうともしていません。

言論の自由を守るのは、社会に向かって情報を発信する人が、その発信する内容について責任を持つことで成立します。その点で数々の誤報や情報操作を続けた朝日新聞が言論の自由を声高に言っているのは実に不見識です。

地球温暖化については、すでに精神的なものは時間的な損失を除いても、国民一人当たり100万円程度の税金を使用したとされています(東京理科大学渡辺先生の試算による)。このように社会に大きな損失を与えるものですから、せめて日本国内に学問的に十分検討できる学会を作って、そこで日本国民のために温暖化の可能性、その日本に対する影響などを議論する必要があります。

image by: Timon Goertz / Shutterstock.com

武田邦彦この著者の記事一覧

中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」 』

【著者】 武田邦彦 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print

  • 武田教授が警告。本当の恐怖は温暖化でなく「寒冷化」という事実
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け