MAG2 NEWS MENU

隠蔽された新型肺炎の真実。警告した医師の死亡記事も削除の中国

新型コロナウイルスの危険性について昨年12月に警告した李文亮医師(34)が7日未明、ウイルス感染が原因で死去したと日本経済新聞朝日新聞テレ朝ニュースBBCなどが報じた。李医師の警告は、当局による「原因不明の肺炎患者発生」の発表より早く、訓戒処分を受けていた。死を報じた中国メディアは、記事やツイートを削除しているという。


隠蔽を目論む当局からの脅迫

李医師は昨年12月、原因不明の肺炎に気づき、150人ほどの医師が参加するチャットグループに「華南海鮮市場で7名がSARSに罹り、我々の病院の救急科に隔離されている」と警告のメッセージを送信。防護服を着用し、感染を防ぐようアドバイスしていた。

しかしこの警告は、当局が「原因不明の肺炎患者発生」を発表するよりも早く、4日後には「社会の秩序を著しく乱す」「虚偽の発言をした」として告発する内容の書簡を中国公安省の職員から突きつけられる。

書簡には、「我々は厳粛に警告する。頑なに無礼な振る舞いを続けたり、こうした違法行為を続けるのであれば、あなたは裁かれることになるだろう。わかったか?」とも記載されており、李医師は「はい、わかりました」とサインした。武漢警察は「デマを流布した」として8名を一時的に拘束している。

ヒトヒト感染も隠蔽

当局は、発表から数週間「新型ウイルスに感染した動物に接触した人にのみ感染する」「ヒトからヒトへの感染はない」と主張していた。しかし李医師は、「ヒトからヒトへの感染は明らかにあった」と財新記者からの取材で回答。

李医師は、1月8日ごろに閉塞隅角緑内障で入院していた患者の症状が眼圧が正常に戻っても回復しないことから、肺部分のCT検査を行ない、原因不明の肺炎である基準を満たしていたと気づく。その後、患者の世話をしていた娘も発熱を起こしたことを確認しているのだ。李医師は、この患者が移送された当日に咳が出始め、翌日には発熱。何度か検査を受けたが、「陰性」の反応しか出なかった。感染が確認されたのはその約10日後。そして7日未明、所属していた病院が死亡を発表した。

新型コロナウイルスによる肺炎での死者は、65歳以上が8割といわれている。一方、亡くなった李医師は33歳。果たして適正な処置は受けられていたのか…これまでの隠蔽工作を見ていると、どうしても疑ってしまう。

李医師の死を隠蔽

李医師の死を報じた中国メディアは、記事やツイートを削除。WHOも追悼ツイートを削除している。


※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source:日本経済新聞朝日新聞テレ朝ニュースBBC

image by:Shutterstock

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け