安倍首相「先手先手で」は焦りの裏返し。ウイルス対策の後手後手

 

日本政府はチャンとやっている?

【読売】は「マスクの増産と輸入」への政府の支援、安倍氏が対策会議で公表した「浙江省からの入国拒否」、国会で質疑の対象になった「病院船の配備検討」と、基本的にはこの問題に関する最新の政府の動きについての記事が目立っている。

あとは、新型肺炎の影響で中国の子会社への監査業務が行えないなどの事態に対する対応として、決算の延期が容認されるという話も経済面に。

相変わらず、《読売》から伝わってくる最も強いメッセージは、政府がしっかりやっているという印象だが、はたしてそれは実態に近いのだろうか。

クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」の3千数百名の乗客らは、およそ2週間も船内に留め置かれることになっているが、なぜにいっせいに検査を行うことができないのか。満足がいくような説明はどこにもみられない。検疫法上、船内に留め置くことは可能だという説明はあっても、なせ、すぐに感染の有無を検査することができないのか。下船につながる措置が取られない理由が分からない。

治療体制の早期構築を

【毎日】は、日本国内で感染を心配する人々の気持ちに寄り添おうとしている。2面の「焦点」では、「中国を中心に広がる新型コロナウイルスの感染を心配する人らが医療機関に相談するケースが相次いでいる」として、そうした声に対応するのに本来必要な「簡易検査キット」が未だ開発中であること、現在の検査対象は症状のある人に限られていて、発症前14日以内に湖北省に渡航するか居住していたか、あるいはそうした人と濃厚接触があった人などで、ただ渡航歴の有無にかかわらず、入院が必要と判断された人については検査の対象になるということが強調されている。

政府は、基準外の場合でも柔軟に検査すると言うようになっているが、院内感染をうかがわせる事例、検疫官の感染ということも起こっており、その意味でも国内の治療体制の構築が必要になってくると。既に都立駒込病院などは、感染が疑わしい場合は病院への入り口や通路を完全に他の患者と別にするなどの態勢を整えているという。

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