安倍首相「先手先手で」は焦りの裏返し。ウイルス対策の後手後手

 

後手に回った政府の対策

【東京】は2面の解説記事「核心」で「新型肺炎 政府後手」との大見出し。《読売》とは鋭い対照を見せている。感染者が増え続けているのに、政府の対応は追いつかず、「対処方針も二転三転。危機管理が後手に回っている」とリードで指弾している。

対策会議の場で安倍氏が「先手先手で対策を総動員してほしい」と全閣僚に指示したことに対して、記者は「感染対策に対する焦りの裏返し」と読み取っている。

クルーズ船内で感染したと思われる検査官が、防護服を着ていなかったことについて、国民民主党の泉健太氏が「不思議だ」と指摘していることを紹介。また与党からも公明党の議員が、自宅待機させた帰国者からの感染確認を「ちぐはぐ」と指摘し、「例外は認めない方がいい」と苦言を呈したこと。また健康状態の観察期間について2転したことで「現場の混乱を招いた」ことなど。

確かに対応が「ちぐはぐ」だったり、二転三転したことなどもあるが、その原因はもう少し具体的に突き詰められないものかと、記事を読んでいて思った。クルーズ船に留め置かれている3千人以上の人たちに対するPCR法による本格的な検査も、1週間あれば十分可能だという専門家もおり、では何が障害になって検査がなされないのか、分からない。感染症に対応する部局は厚労省結核感染症課と思われるが、そこで指揮を執っている医官(医師の資格を持つ高級官僚)の判断力の問題という可能性はないだろうか。

image by: S and S Imaging / shutterstock

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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