後手に回った政府の対策
【東京】は2面の解説記事「核心」で「新型肺炎 政府後手」との大見出し。《読売》とは鋭い対照を見せている。感染者が増え続けているのに、政府の対応は追いつかず、「対処方針も二転三転。危機管理が後手に回っている」とリードで指弾している。
対策会議の場で安倍氏が「先手先手で対策を総動員してほしい」と全閣僚に指示したことに対して、記者は「感染対策に対する焦りの裏返し」と読み取っている。
クルーズ船内で感染したと思われる検査官が、防護服を着ていなかったことについて、国民民主党の泉健太氏が「不思議だ」と指摘していることを紹介。また与党からも公明党の議員が、自宅待機させた帰国者からの感染確認を「ちぐはぐ」と指摘し、「例外は認めない方がいい」と苦言を呈したこと。また健康状態の観察期間について2転したことで「現場の混乱を招いた」ことなど。
確かに対応が「ちぐはぐ」だったり、二転三転したことなどもあるが、その原因はもう少し具体的に突き詰められないものかと、記事を読んでいて思った。クルーズ船に留め置かれている3千人以上の人たちに対するPCR法による本格的な検査も、1週間あれば十分可能だという専門家もおり、では何が障害になって検査がなされないのか、分からない。感染症に対応する部局は厚労省結核感染症課と思われるが、そこで指揮を執っている医官(医師の資格を持つ高級官僚)の判断力の問題という可能性はないだろうか。
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