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中国に屈せず。安倍首相が見習うべきプーチンの新型肺炎への対応

感染症内科教授の告発動画により一部明らかになった、新型肺炎への正しい対処がなされず混乱するクルーズ船の内部の様子は、世界に衝撃を与え、さらに安倍政権に対する批判をも高めているようです。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、新型ウイルスの水際対策に成功しているとされるロシアの事例を紹介し、日本政府が国民の命を守るため今すぐすべきことを記しています。

安倍総理は、プーチンの“ここ”を見習うべき

神戸大学病院感染症内科教授、岩田健太郎さんの動画。昨日夜時点で110万回ぐらい再生されていたので、ごらんになった方もいるでしょう。今日見てみると、すでに削除されていました。しかし、毎日新聞で一部見ることができるので、まだの方は、こちらをごらんください。

「船内はものすごく悲惨な状態」クルーズ船立ち入りの医師、ネット動画が波紋

詳細は、ご自分でごらんになってほしいですが、要は、

なんというか、ダイヤモンド・プリンセスにいる方はお気の毒です。適切な言葉が見つかりません。しかし、メルマガで前々から書いているように、私たちも「他人事」ではなくなってきました。日本国内の感染者数は、毎日増加しています。皆さん、ニュースを見て、「嗚呼、今日も増えたな」と思っていることでしょう。テレビのトップニュースは、たいてい新型コロナウィールスのこと。ところが、次に映し出されるのは、野党が「桜を見る会」の件で、安倍総理を追及している映像。平時であれば、そういうのもありでしょう。しかし、緊急事態の今、やることでしょうか?

今日本で起こっていることは、明らかな人災です。国民もようやくそのことに気つき、安倍内閣の支持率が下がってきた。それで、少しは焦りがでてきたみたいです。

政府、広がる批判に焦り 「水際で失敗」、支持率に影新型肺炎

時事 2/19(水)7:11配信

 

新型コロナウイルスによる肺炎への政府対応に批判が広がっている。安倍晋三首相が先頭に立って取り組んだ水際対策は奏功せず、国内で感染が拡大。横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に対する措置でも、乗客乗員を船内にとどめ置いた判断が「かえって集団感染を悪化させた」と指摘された。「未知の感染症」への国民の不安は内閣支持率にも影を落とし、政府・与党は危機感を強めている。

「批判が広がっている」のは、当然でしょう。

政府は当初、発熱症状や中国・武漢市への渡航歴、武漢滞在者との接触がある人らをウイルス検査の対象にしていた。ところが2月に入り、感染経路の分からない感染例が続出。首相側近は「1月時点で中国人全ての入国を止めるしかなかったが、もう遅い」と頭を抱えた。
(同上)

「1月時点で中国人全ての入国を止めるしかなかったが、もう遅い」。この言葉、とても大切です。覚えておいてください。ところで、日本政府は、なぜ中国人全ての入国を止めることができなかったのでしょうか?

政府関係者によると、習近平国家主席の国賓来日を控えて中国側から「大ごとにしないでほしい」と要請があったといい、これも後手に回った要因だとみられる。
(同上)

前々から書いていましたが、結局日本政府は、「中国のために」入国禁止措置をしなかった。つまり、

である。安倍内閣の優先順位が「中国のご機嫌」>「日本国民の命」というのは、とても深刻な事態です(もちろん、「こんな大ごとになるとは思わなかった」のでしょうが)。

これからどうすべきなのか?

きっと、皆さんも怒っておられることでしょう。しかし、過去のことをあれこれいっても仕方ありません。これからどうすべきなのでしょうか?参考になるのは、プーチン・ロシアの措置です。

中国人の入国禁止へ 新型肺炎対策でロシア

2/19(水)15:31配信

 

【モスクワ時事】ロシア政府は18日、中国での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国人のロシアへの入国を20日から当面禁止することを決めた。ミシュスチン首相が政令に署名した。入国が禁止されるのは就労、就学、観光目的の中国人。19日から入国申請の受理も中止する。

これですね。皆さん、思い出してください。首相側近の言葉を

「1月時点で中国人全ての入国を止めるしかなかったが、もう遅い」

確かに「遅い」です。しかし、「もう遅い」ではありません。中国から、毎日毎日感染者がどんどん入ってきていることが根本問題なのです。彼らは無意識に、日本国内の感染者を増やしていきます。だから、この流れをカットすることが最優先課題でしょう。ちなみにロシア政府がこの措置を決定したのは2月18日です。だから、日本政府も、今からでもやるべきなのです。

私はプーチンを全然尊敬していませんが、今回の件では実に立派な対応をしています。その結果。

ロシアは中国との国境検問所を封鎖し、中ロ間の旅客列車の運行を停止するなどの対策を取ってきたが、一層の厳格化に踏み切った。ロシア国内でこれまでに確認された感染者は2人で、いずれも中国籍。
(同上)

毎日毎日感染者が増加している日本とはずいぶん違うでしょう。プーチンは独裁者ですが、少なくとも、以下のことを知っています。

ロシアにとって中国は、「事実上の同盟国」であり、関係は非常に良好です。しかし、国民の命を守るために必要な措置をとる。一方、我が国の安倍総理はどうでしょうか?これまで、

で、国民の命を危険にさらしてしまったことは、誰も否定できない事実です。しかし、過去のことは過去のこととして、日本国民の命を守るために、必要な措置をすぐに講じてほしいと思います。

  1. 中国全土からの渡航を禁止する
  2. 中国への渡航を禁止する

この二つが全部ではありませんが、これをやらないことには、(感染者がドンドン入ってくるので)他の対策は、ほとんど意味のないものになってしまいます。

今回の話、「そのとおりだ」と思われた方。是非、総理官邸にメールをお送りください。「東京五輪を無事開催するためにも、中国全土からの渡航、中国全土への渡航を禁止してください」と。デモより、効果は大きいそうです。

ご意見募集(首相官邸に対するご意見・ご感想)

image by: 首相官邸

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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