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完全孤立の韓国。新型肺炎騒動で習近平を激怒させた文在寅の誤算

先日掲載の「新型肺炎の裏で進む北朝鮮消滅。米のシナリオに乗せられた金正恩」では金正恩体制崩壊の危機を指摘した、元国連紛争調停官で国際交渉人の島田久仁彦さん。島田さんは今回、自身のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』で、新型肺炎の流行がこのまま続けば韓国は破綻、世界経済にも深刻なレベルの影響を与えると予見した上で、人類最大級の危機に各国はどう立ち向かうべきかを記しています。

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COVID-19がもたらす恐怖のシナリオ─人々の不安がもたらす経済成長の終焉と新しい紛争の火種

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が止まりません。そして、世界各国における不安の拡大も加速しています。日本のメディアでもいろいろな内容が日々伝えられていますが、実際には、まだ誰にもCOVID-19の正体は分からず、そして時を追うごとに変異を繰り返し、その感染力も強まっているとされるなか、COVID-19の特徴や対処法などについていろいろなデマも流れる始末です。私は専門家ではありませんので、感染症や医学的なことには可能な限り触れませんが、WHOやアメリカのCDCなどから伝えられる恐ろしい情報を踏まえて、それが今後の世界情勢にどのような影響を与えうるかについて、安全保障とリスクマネージメントの観点からお話ししたいと思います。

これまでにこのメルマガを通じて何度もお話ししてきましたが、今回の新型コロナウイルスの蔓延については、私は何らかの形で生物兵器が使用されたと考えています。それがあらかじめ計画され実行されたバイオテロなのか、それとも武漢の施設からの漏洩という人為的なミスなのかは断言できませんが、専門家の声をまとめると「出処は海鮮市場のコウモリと言われているが、仮に誰かが噛まれていたとしても、ここまで強力なヒトtoヒトのウィルスに急激に変異するだろうか。何か人為的な意図を感じる」との内容が多いように感じます。

ちなみに、武漢の生物兵器・感染症研究所において高いレベルのsecurity clearanceを持つ中国の専門家からは「あなたは科学者じゃないからそのような説を奉じるのかもしれないが、プライドにかけて中国による仕業ではない」と言われました。しかし、同時に「次々とコロナウイルスが形を変え、その都度進化していることについては驚きを隠せず、大変大きな恐怖を感じる」と話していました。

表には出てこない恐怖がすでに街を覆い、中国全土を覆っている様子が感じられます。

ところで、あまりメディアには映されませんが、街を歩いていて突如バタッと倒れ突然死する人が続発していることをご存じでしょうか。

武漢市での感染発覚から約1か月経ちますが、ここにきてWHOを震撼させている事態として、(インフルエンザや風邪とは異なり)「一度感染して治癒した・未発症だったとしても、二度目の感染を経験する患者数が今、増えており、その場合、仮に一度目に発症しなかった人でも、症状が重症化するケースが多く、その場合、多臓器不全や循環器系疾患の重篤化、そして心不全を引き起こしている」というものの報告があります。

正確なケース数については伝わってきませんが、「感染者数は増えているが、増加のペースは落ちている」と楽観的なニュースを流す中国当局の情報の裏では、感染の恐怖の第二波、第三波が襲ってきているようです。この状況は、まさに2001年の9/11同時多発テロ事件直後に、シナリオとして描かれた大規模なバイオテロの内容に類似しています。

私が懸念しているのは、適切かつ正確な情報が伝わらないということと、それによって、恐怖心と猜疑心ばかりが増長し、すでに起きていますが、感染者やその家族などへのいわれなき差別とバッシングです。また、ニュースで取り上げられていて呆れ果てたのが、諸外国で新型コロナウイルスの蔓延をジョーク化し笑っている風潮です。すでに中東でも初の感染者が出、欧州各国でも感染が確認され、そしてアメリカ人にも感染者が出ていることから、このようなジョークが許される風潮はなくなるはずですが、代わりに、WHOが出すことをためらっている「世界的な感染の広がり(パンデミック)」宣言がついに出され、本格的な移動の制限がかかる可能性が広がることで、不安は一気に広がり、消費マインドを著しく削ぐことで、世界経済は同時多発的に大幅な下降を経験することになるかもしれず、非常に懸念される事態です。

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北朝鮮経済そして体制が崩壊の危機にあることは先週号(「新型肺炎の裏で進む北朝鮮消滅。米のシナリオに乗せられた金正恩」)でも触れましたが、そのお隣の同胞の国、韓国経済もデフォルト寸前の状態にまで追い詰められています。

文政権の経済政策の何重にもわたる失敗、行き過ぎた反日・反米キャンペーンが招いた“同盟国”による韓国切り、そして、国内における若年層失業率の止まらない悪化、そして韓国ウォンの無力化など、すでに2019年に危険水域を超えてしまったと言われてきた韓国経済ですが、今回のCOVID-19は壊滅的な攻撃を韓国経済に仕掛けてしまいそうです。

経済的なスランプと日米との確執を受け、韓国は中国とロシアに擦り寄り、もうすぐレッドチームに入るだろうと言われてきましたが、そのレッドチームのリーダーである中国の物流のおへそと言われる武漢市が今回COVID-19の発信地となり、COVID-19の広がりが中国経済に、物流そして生産・供給という多面的な大打撃を与える中、中国に韓国経済を助ける余力も、そして“つもり”もなくなりました。そこに追い打ちをかけ、中国政府を激怒させたのが、韓国がいち早く中国との物流を切る判断をしたうえに、ここぞとばかりに恩着せがましく支援を申し出た姿勢で、これで中国も韓国切りの輪に加わることになりました。

日本やアメリカとの経済的な面での確執を受け、LGなどの企業が白旗を挙げる中、サムソンは何とか韓国経済を支えてきましたが、中国が門戸を閉じることで、日本から中国にスイッチしていた半導体製造のための材料の調達ができなくなり、そのサムソンの財政状況も苦しくなってきています。COVID-19の悪影響が長続きするようなことがあれば、サムソンも危なくなりますし、その時には確実に韓国は経済的にも、国家としても破綻する運命となるでしょう。

香港経済も危機的な状況に直面しています。反中国のデモが激化し、また長期化したことで、香港経済の活動が大幅に減速・縮小されているところに、今回のCOVID-19の蔓延によって、中国と今や陸続きでつながる香港は、いつCOVID-19の大流行に晒されるか戦々恐々だと言います。実際には、ここまでのところ、うまく感染の拡大は抑え込めているようですが、デモ以降、悪化している香港経済に対する心理的なイメージが、COVID-19への恐怖心によってさらに悪化することになれば、中国経済と国際経済をつなぐ窓口として活躍してきた香港の立ち位置に致命的な一撃となってしまいかねません。欧米系の金融機関が次々と人材の引き揚げを行っていると言われる中、香港当局からは「今度こそもうだめかもしれない」との声も上がってきている始末です。

アジア地域はもちろんのこと、世界の観光業界にも大きな打撃になっています。まず、ことごとくアジアで開催予定だった国際会議がキャンセルもしくは延期、場所変更などを迫られています。また、日本を含むアジアへの渡航を停止・見送りする多国籍企業も増え、ほとんどの会議がビデオ会議に置き換わっています(私もその“恩恵”にあずかっています)。

そして“全容がまだ見えない”というCOVID-19の正体ゆえ、タイは中国からの旅行客に加え、感染が広がる日本からの渡航客を入国させないという措置に踏み切るとの発表がありました。それにより、タイの現地企業からは「日本からの出張者は当分の間受け入れない」との措置を取らざるを得ないと聞きました。非常にショッキングな出来事だと思います。

皮肉を言えば、COVID-19のおかげで、遅々として進まない経済のデジタル化や「移動を伴わないビジネススタイル」などが一気に加速しそうですが、物理的な商品や原材料の物流が滞る中、確実に世界経済は多大な負の影響を受けるでしょう。COVID-19の蔓延がいつ収まるのか、そもそも収まるのかがわからない中、感染への恐怖と相互不信が、かなり深刻なレベルの影響を世界経済に与えることになりそうです。

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ではどうすればいいのでしょうか。

まずは、各国が一丸となって、国境の壁を超えたcontainment(封じ込め)を徹底することでしょう。人権問題や諸々の権利が絡む難しい問題になりますが、まずは感染の広がりを抑え込むことが大切です。すでに申し上げたように、COVID-19への感染が同じ人で複数回に及ぶケースが出てきており、症状の重症化が顕著にみられるとの情報が出てきています。

とにかく感染しないこと、したら絶対にうつさないように隔離を行うことなど、封じ込めのための処置を徹底しないといけません。

いろいろと反発は生むでしょうが、覚悟に基づいた断固とした対応は、実際に封じ込めにつながるでしょうし、何よりも人に【安心】を与える策だと考えます。

今、恐怖心と見えない不安が、人々の消費を控えさせ、移動を控えさせ、どんどん経済活動を冷やしていく中、【世界中の人々に対して安心をいかにして保証できるか】が今回のようなケースに立ち向かうにあたっての究極目標になるのだと考えます。

米中がいがみ合い、欧州の状況も中東の情勢も不安定で、相互不信が進む中、この人類への危機に際し、今こそ世界的な政治的リーダーシップとパートナーシップが必須であると強く考えます。

かなり激しい内容になってしまいましたが、希望を込めて、今週号を終えたいと思います。

皆さんもどうぞお気をつけて。

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image by:  대한민국 청와대- Home | Facebook

島田久仁彦(国際交渉人)この著者の記事一覧

世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。

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