勝負はこの時。目標達成途中に「不快」な感情が湧いた時の対処法

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「継続は力なり」との言葉通り、ダイエットも資格取得もスポーツの上達も、正しい方向に努力を続けていればやがては大きな成果につながります。しかしながら、その継続は簡単なことではありません。今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では著者で現役弁護士の谷原誠さんが、「快」と「不快」のコントロールによる努力の継続ノウハウについて、分かりやすく解説しています。

快と不快をコントロールする

こんにちは。弁護士の谷原誠です。

私は、人間の行動をいつも、「自尊心」に結びつけて説明しています。「自尊心が傷つくのを避けるために、そう行動するのでしょう」というように。ただ、この言葉がしっくりこない人もいるでしょう。そこで、今回は、「快」と「不快」に読み替えて説明してみたいと思います。

人間の行動は、常に「不快」を避け、「快」に向かいます。ツラい作業は、「不快」なので、楽をするという「快」を望みます。

よく例に出すイソップ童話の酸っぱいブドウでは、キツネは、ジャンプしてもブドウが取れなかったので、「甘いブドウを食べたかったのに、食べられなかった!悔しい!」という不快な感情から逃げ、「どうせあのブドウや酸っぱかったのさ」と思い込むことによって、自己正当化を図り、快の感情に転化しようとしています。

他人がいい成績を取ったり、優秀な成果を出したりした時に、不機嫌になることがあるのは、「あの人より自分が劣っている感じがする」という不快を感じるからです。そして、その後、「あれは、親が金持ちだから、いい塾に行けたという理由だけだ」とか「どうせ上司にうまく取り入ったんじゃないか」などと、自分が劣っていないように思い込み、快に逃げ込もうとします。

努力を継続するのが難しい理由の一つも、これが理由です。スポーツでも勉強でも、仕事関係でも、何らかの努力を始めると、最初のうちは、みるみる成果が出て上達し、「快」を味わいます。「よし!この調子で頑張ろう!」と思います。しかし、途中で必ず、上達しない段階が来ます。場合によっては、能力が低下しているように思える時もあります。

この時、「不快」な感情が涌いてきます。

勝負はこの時です。

人間は、「不快」を避けて、「快」に向かいます。ある人は、「私は、この競技(種目、資格)に向いてないんだ。もっと自分に向いたことをやろう」「こんなことより、私には他に大切なことがある。あまり時間を使ってはいられないから、やめよう。そして、それは正しいことだ」と思い込み、不快の感情を消して、快に向かいます。これが、努力が続かない人です。

ある人は、「このスランプを何とかして乗り越えて、もっともっと上達しよう。そうしたら、楽しいぞ!」と思い描き、快に向かいます。これが、努力が続く人です。

私の知人の娘さんは、勉強が全然続かず、成績も悪化の一途をたどっていました。ところが、その娘さんの大好きなアイドルが、ある大学に入学したことを知った途端、ものすごい勢いで勉強を始めたそうです。成績は、そんなにすぐに上がりません。それでも、諦めず、勉強を続けているそうです。勉強をしても成績が上がらない「不快」を感じた時、その娘さんは、「絶対にあの大学に入って、●●くんと会うんだ!」などと思い描き、「快」に向かっているのでしょう。

反対に、「不快」が解消することによる「快」を目指す人もいます。「一度決めたことを途中で諦めるのは、怠惰な自分に負けることだ」という不快を感じ、それを解消すべく努力を継続する、という人です。この場合、「自分に克つ」ことによる快を目指していることになります。アスリートに多いイメージでしょうか。

努力を続けている時には、必ず壁にぶつかります。その時、どのような「快」を思い描くかによって、さらに努力を続けられるかどうかが決まります。自分の「快」をコントロールできるようにしましょう。そのためには、自分に適切に質問することです。

「努力を続けることが快いと感じるには、どう考えたらいいだろうか?」
「この努力を続けたら、私はどのように変身し、周りの人は私のことをどう見るだろうか?」

質問の力を学ぶには、下記書籍を参考にしてください。

私の新刊。

人生を変える「質問力」の教え』(WAVE出版)

今日は、ここまで。

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【著者】 谷原誠 【発行周期】 不定期

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