子育てにおいては、叱るよりもほめることが推奨される場合が多いようですが、その「ほめ方やタイミング」もかなり重要になってくるようです。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師の松尾英明さんが、「ほめると叱るは劇薬」であり、用法と用量を守るべしと記しています。
ほめると叱るは、劇薬かサプリメントか
ほめると叱るについて。
先日のセミナーで、ほめ方ということが話題になった。どうほめるかということが問題になった訳である。
結論からいうと、心から本当に思っていないことを口にするのはいけない。先日の「心がけで変えられる。口癖を、子供を育てる『認める言葉』にする」の「すごいなぁ」は、自然と口に出てしまうから意味がある。人を操ろうとかいう汚い意図をもって子どもに行うことは断じて許されるものではない。
一方で、多少無理してでもほめてあげた方がいい相手もいる。それは、平常よりも下に落ち込んでいる相手である。
この意図が伝わるように、このメルマガでも何度か書いた「ほめると叱るは、劇薬」という言葉を紹介して説明した。つまり、病気の人には、薬が必要である。薬を投与して、平常に戻る手伝いをする訳である。
しかし、これを繰り返していくと「薬漬け」になる。薬なしでは生きられない、薬が切れると禁断症状が出るようになる。「もっとほめてくれ」あるいは「叱らないで」というモチベーションだけで動くようになる。外発的動機づけでのみ動くようにするのは、「ロボット教育」である。
そしてこれは講師の一人である俵原先生の言葉だが、「サプリメント的に使うといい」という考えもある。要は、用法と用量である。
だから、ほめると叱るは、使う場面を選ぶ。これはある教育者の方の言葉だが「ほめると叱るで伸びるのは、偏差値50まで」なのである。
代わりに、前号でも紹介した「認める」を中心に用いていけばいい。やがて、他人の賞賛や評価を必要とせずに、自分を軸として動く人間になっていく。
ほめると叱るは、劇薬。ほめると叱るは、偏差値50まで。
頭の隅に置いておくと、何かと役立つかと思い、紹介してみた。
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