スーパーチューズデーに躍進のバイデンはトランプに勝てるのか?

shutterstock_1608793423
 

米大統領選挙の民主党候補者を決めるための予備選は、3日のスーパーチューズデーを終えてバイデン氏が躍進。これまでリードしてきたサンダース氏を逆転しました。票を伸ばせなかった候補者の撤退が相次ぎ、一騎打ちの様相となったこの予備選の行方と、その後の大統領選の展望を各紙はどう伝えたのでしょうか?ジャーナリストの内田誠さんが、メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で、詳しく解説します。

バイデン氏とサンダース氏

【プロフィール】

■「穏健派」対「革新派」■《朝日》
■「中道派」対「急進左派」■《読売》
■「穏健派」対「急進左派」■《毎日》
■「中道派」対「左派」■《東京》

「穏健派」対「革新派」

【朝日】は1面トップに2面は大統領選特集、8面に関連記事。見出しから。

(1面) バイデン氏復活 9州制す
サンダース氏と一騎打ちへ
ブルームバーグ氏 撤退表明

(2面) 穏健・革新対決 鮮明に
危機意識が生んだ一本化
バイデン氏ならトランプ氏に勝てる
支持層2分 長期戦か
本選 70代の争い

(8面)
劣勢2氏 立て直せず
民主党候補者選び 票の集中焦点
撤退 バイデン氏支持へ
穏健派ブルームバーグ氏
トップランナーから失速
革新派ウォーレン氏
「革命が必要」サンダース氏に
「秩序取り戻して」バイデン氏

uttiiの眼

《朝日》は、バイデン氏を「穏健派」、サンダース氏を「革新派」と呼ぶ。《読売》は「中道派」と「急進左派」、《毎日》は「穏健派」と「急進左派」、《東京》は「中道派」と「左派」となっていて、それぞれ微妙に違う。少なくともきょうの時点での呼称はこのようになっているのだが、この間、呼び方に変化あるいは揺らぎがあったかについては詳らかにしない。それぞれの呼び方を選ぶ根拠もありそうだが、敢えて深入りしない。ただ、「穏健派」というのは如何なものだろうか。

各紙、復活したバイデン氏とこれまで首位を保ってきていたサンダース氏の一騎打ちと報じる点で違いはなく、両派の対立、あるいは「溝」は一層深まるだろうと推測していて、《朝日》も「穏健・革新対決 鮮明に」と2面記事の見出しに大書している。

ユニークな論点が2面記事最後段に見えている。見出しは「本選70代の争い確実」というもの。民主党候補がバイデンになろうがサンダースであろうが、いずれも70代。共和党候補はトランプ氏で決まりだろうから、やはり70代。共和と民主、どちらが勝っても新大統領は70代の白人男性ということになる。

「若者や女性、黒人やヒスパニック、アジア系らを含めた多様な候補者の中から、高齢の白人が残ったのは、「トランプ氏に勝ちたい」という民主党支持者の考え方が影響しているとも言われる」のだそうで、昨年の世論調査で次の大統領候補としては「中年以上の白人男性」が適しているという回答が多かったのだという。

候補者が高齢の白人男性になったことと世論調査の結果との連関は今ひとつうまく読み取れないが、《朝日》の指摘の中で間違いなく当たっていると思われるのは、「本選に向け、健康不安などが焦点となる可能性もある」という部分。おそらくは候補者中最高齢で、いくつか具体的な健康に関する不安材料が公になったサンダース氏のことを指しているのだろう。

print
いま読まれてます

  • スーパーチューズデーに躍進のバイデンはトランプに勝てるのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け