スーパーチューズデーに躍進のバイデンはトランプに勝てるのか?

 

「穏健派」対「急進左派」

【毎日】は1面上段中央に本記(大統領選特集)、7面に関連記事とミニ論点。見出しから。

(1面)
バイデン氏首位
民主予備選 スーパーチューズデー
代議員数 サンダース氏を逆転

(7面)
トランプ氏、候補者挑発
民主の結束不足強調
次の脱落者が鍵
「勝てる候補」選択

uttiiの眼

《毎日》は「穏健派」対「急進左派」と呼んでいる。3面記事では最後段で、「急進左派」のサンダース氏の票が伸びなかったことについて分析している。サンダース陣営は大票田のカリフォルニア州で総取りを目指し、州内22カ所に選挙事務所を置くなど、膨大な資源を注ぎ込んで闘ったという。事前の予想でもサンダース氏が圧勝するとみられていたが、実際は3割台しか取れず、総取りは無理な状況に。「民主的社会主義」を掲げるサンダース氏に対して、年齢層の高い有権者に拒絶反応が強く、また黒人有権者の支持も弱いため、「多様な民主党の支持層が支える候補としては疑問符が付いている」と引導を渡している。

7面の「ミニ論点」では2人の識者の話を聞いている。津田塾大教授の西川賢氏は、サンダース氏とバイデン氏は互角だとみていて、次に撤退するのが誰になるかが重要と言っているのだが、インタビューの時点ではまだブルームバーグ氏撤退の情報が入っていなかったのだろう。「ウォーレン氏が撤退した場合、サンダース氏が左派の支持を集め、勢いが増すことも考えられる。一方、ブルームバーグ氏が先に音を上げれば、バイデン氏がさらに有利になる」と言っている。実際、ブルームバーグ氏は「バイデン支持」を表明しながら撤退したので、西川氏の論法で言えば、バイデン氏が有利になったということになりそうだ。

トランプ氏はサンダース氏には「本物の支持者がついている」と語ったことがあった。確かに、中道結集によってバイデン支持に変わった人々は「本当の支持者」ではなく、極端な場合、「鼻を摘まんで」バイデン氏に投票する人たちだ。ただ、鼻を摘まもうが片手間だろうが、投票は投票。問題は、バイデン氏が候補になった時に、サンダース氏の支持者が投票に行ってくれるのかどうかということだろう。サンダース支持者がバイデンに投票するのは大変なことで、そのためにはガスマスクでも付けなければならないだろう。この種の懸念は、サンダース氏が候補者となっても、同じだが…。

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