スーパーチューズデーに躍進のバイデンはトランプに勝てるのか?

 

「中道派」対「急進左派」

【読売】は1面上段中央に本記。3面の解説記事「スキャナー」と社説、6面と7面に関連記事。見出しから。

(1面)
バイデン氏 躍進
サンダース氏と一騎打ち
民主予備選

(3面)
中道結集 バイデン支持
「急進左派」サンダース氏を警戒
スーパーチューズデー
国民皆保険47兆ドル、大学無償化2兆ドル…
財源 富裕層に増税
左派と中道の溝は埋まるのか(社説)

(6面)
支持基盤 手堅く
サンダース氏 若者、ヒスパニック
バイデン氏 中高年、黒人
ブルームバーグ氏 撤退

(7面)
民主対立 トランプ氏に利
社会主義イメージ植え付け
支持者も対抗意識
「中道派にうんざり」■「主張極端だ」
代議員 得票率で比例配分
「大本命」不在時に長期化も

uttiiの眼

《読売》は「中道派」対「急進左派」。急進左派に対する警戒感から、撤退するブティジェッジ氏とクロブシャー氏がバイデン氏支持を表明して「中道結集」がなったことで、でバイデン氏が復活したという筋を強調。

記事にはサンダース氏の公約がいかに過激なものであるか、わざわざ図表のすぐ近くに欄を設けている。そこには見出しとして「国民皆保険47兆ドル、大学無償化2兆ドル…」と「財源 富裕層に増税」とある。記事を読むと、47兆ドルは10年間での話、他に温暖化対策に16兆3000億ドル、そして大学無償化と学生ローンの債務免除に2兆2000億ドル、ホームレスをなくすための住宅供与に2兆5000億ドル拠出するといっているらしい。財源は金融取引への課税や日本円で34億円以上の家計資産への課税などだが、民主党の他候補からは「計算が合わない」とか「中産階級も増税のあおりを食う」などと批判され、米国が債務危機に陥るとの指摘もあるという。国債発行のことを言っているのだろう。

確かに「べらぼう」と思えるような計画が並んでいるようだが、こうした「急進左派」の主張を一番警戒しているのは、米国の中道派ではなく、《読売》なのではないかと思いたくなるような書きぶりになっている。

因みに、社説は、サンダース氏が国民の既成政治への怒りや将来の不安に訴えかける点で4年前のトランプ氏が白人労働者層を支持基盤に据えたのと酷似していること、そしてサンダース氏が「妥協を拒み、政敵への個人攻撃を繰り返す姿勢まで同じなのは評価できない」と言っている。サンダースは「赤いトランプ」ということか。

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