危機管理のプロが安倍首相の休校要請は正しいと主張する理由

 

私が、新型肺炎について武力攻撃を受けたのと同じ有事として対処すべきだとSNSに投稿したところ、「戦争も法律に則ってあるものでないか」とか、「法律を整えてから動くべきではないか」とか、「戦争と感染症を混同すべきではない」とか、色々な意見がSNSで飛び交いました。困ったことです。

日本全土が奇襲攻撃にさらされ、国民全員が最前線に立たされているのと同じ危機的状況にあるというのに、「法律に則って」とは何を考えているのでしょうか。よって立つべき法律が整備されていればよいのですが、それがないときは超法規的措置によって国民の安全を図り、その超法規状態を極力短期間に終わらせるために、国会が与野党を挙げて必要な法制度を整える、それが緊急事態における議会制民主主義というものです。これまでの特措法にも、恣意的に使わないよう歯止めをかけてあります。

戦争と感染症を混同すべきでない。そうかもしれません。戦争より感染症のほうが恐ろしい場合があるからです。そうであれば、なおさら感染症対策に危機感を持って向き合うべきではないでしょうか。

安倍首相を擁護するものではありませんが、必要な手を打っていることは認めるべきでしょう。初動の遅れやクルーズ客船の扱いなどについての批判は大いに行われるべきですが、それこそ専門家によって検証を同時進行で進め、今後の感染症対策に取り入れていってもらいたいものです。

当事者意識を欠いているのは、匿名をよいことにSNSで無責任な発言を吐き散らす人々ばかりでなく、国会議員やマスコミも同じであることを、政治家、ジャーナリストに自覚してもらいたいと思います。(小川和久)

image by: 首相官邸HP

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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