武田教授が苦言。危険あおり数字操る日本のマスコミに騙されるな

 

感染者増加を防ぐ日本。一方で問題なのは「日本の反日マスコミ」

ところで中国で発生した新型ウイルスは、韓国、イラン、イタリアなどで感染が広がり、いずれも6000人から1万人規模の感染者を出している。韓国は中国の隣国なので人の往来も多く、感染の抑制はなかなかむつかしいが、中東のイラン、ヨーロッパのイタリアで感染が広がったという事実は、新型ウイルスの登場に伴って国ごとの対応の違いが問題になるので、今後、研究が進むだろう。

そのなかで人の往来や貿易量が極めて多い日本の感染者が500人程度に収まっているというのは、テレビが報道するのとは真逆で、「日本は現在のところ、感染拡大を抑えるのに成功している」と表現するのが適当だろう。アメリカのやや信頼性の低い論文にII型肺胞細胞を持つアジア人が感染しやすいという記述があるが、この細胞を持った人が多いと言われる日本人より、もっとも世界で少ないと言われている北部イタリアの方が感染が多いという事実は、まだまだ確実な研究はないことを示している。

いずれにしても、中国と近く、人の往来も多く、貿易量や中国に工場をもっている会社も多い日本の感染者が世界的にみて少ないというのは不幸中の幸いである。現在は安倍首相の呼びかけもあって、小中高等学校の休校をはじめ会社や行事なども自粛しているので、感染者(この感染者がどこにいるのか全く不明なのがもどかしいが)との接触の機会は少なく、新規感染者はまだ1日数十人の段階にある。このまま感染の増加を防ぐことができたら、日本は世界でも新規なウイルスに対する感染を防止した国として注目されるだろう。

ただ、問題は「日本国内の反日マスコミ」である。日本以外の国、特に中国や韓国は「自分の国が不利になることは報道せず、有利になることだけを報道する」という特徴があるが、日本のマスコミは反対に「日本が不利になることを報道し、有利になるニュースは報道しない」という反日的である。たとえば、日本国内の感染が400人だった時に突如としてNHKをはじめとした日本のマスコミはクルーズ船の感染者を含めて1000人と報道し始めた。

これによって世界で8番目の感染国だった日本は主要感染国4つの次になり、海外への日本人の移動などに制限がかかった。クルーズ船の感染者は国内感染とは言えないが、どこかのテレビ局が危険をあおるために報道すると、他の局も右へならえして、日本人に被害を与えるというのはいつものことである。(メルマガより一部抜粋)

image by: Osaze Cuomo / shutterstock

武田邦彦この著者の記事一覧

中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」 』

【著者】 武田邦彦 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 武田教授が苦言。危険あおり数字操る日本のマスコミに騙されるな
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け