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やり方次第でジム以上の効果。プロが教える「自宅で」筋トレ術

空前の筋トレブームとともに盛り上がっていたスポーツジムに、突然訪れた新型コロナウイルスによる営業自粛の嵐。ジムでのマシンを使ったトレーニングができずに困っている人が多くいます。メルマガ『届け!ボディメイクのプロ「桑原塾」からの熱きメッセージ』の桑原弘樹塾長が、お手軽なギアを使ったトレーニング法や、狭いスペースでも効果の上がるエクササイズを教えてくれます。また、通常は否定的な有酸素運動についても、この特別な状況下では取り入れていいとアドバイスしています。

ジム以外でトレーニング

Question

新型コロナウイルスの影響を受けて、ジムが閉まってしまいました。自宅にはダンベルも無いのでトレーニングらしいことが何も出来ません。何かジム以外で可能なお勧めトレーニングはありますでしょうか。(35歳、男性)

桑原塾長からの回答

ジムが閉鎖されるというのは台風などの災害の際はありましたが、日本全国で数週間にわたってというのは異例中の異例でしょうね。まさにパンデミックです。

また、トレーニングに行く事に少し後ろめたさを感じるのも、異常事態の象徴のように思います。私もジム依存型なので、どうしても自宅やジム以外ではうまくワークアウトが出来ません。贅沢な話ですが、ゴールドジム以外だと更にその効率が落ちてしまうという甘えっぷりでもあります。

しかし背に腹は代えられないわけで、指をくわえて時が過ぎるのを待つわけにはいきません。そこで、幾つかの簡単なトレーニングギアがあるとグッと効率はあがります。まず何と言ってもお勧めはアブローラーです。置いてあるジムも多いと思いますが、通常は腹筋台やマシンのアブベンチなどを使っているのではないでしょうか。私はホームセンターで1,000円もかけずに購入した記憶があります。

これは効きます。正直ジムのマシンの比較にならないと思います。以前、どうしてもジムに行く時間が取れなかった時、自宅でムキになってアブローラーをやったことがありました。10レップの10セットを休み休みで完遂しました。翌日、腹筋を中心に筋肉痛がひどすぎてジムに行けなかった事を思い出します。

今でもたまに膝をつかずに体を一直線に伸ばした状態でのアブローラーを自慢げに見本としてやることがありますが、何気に翌日は筋肉痛になります。毎日のようにジムでやっているアブベンチがいかに効かせていないかの証でもあります。

次にお勧めはプッシュアップバーです。たかが腕立て伏せされど腕立て伏せです。これもひたすら回数を稼いで、腕立て伏せを200回やったなどという発想から卒業をして、腕立て伏せでも10レップで十分に効かせられるのだと実感すると思います。

この2つのギアはさほど高いものではないので、いざという時の備えとして自宅にあると便利かもしれません。

外に出て公園に行くと、最近では鉄棒ではなくブラらがり器具のような健康遊具(?)を見かけます。どちらでもいいのですが、チンニングにはもってこいです。グリップの太さなど、多少の違和感はあるかもしれませんが十分にチンニングは出来ます。なんならパワーグリップを持参して行くといいでしょう。

これもジムでしたら10レップを3セット程度がせいぜいだと思いますが、徹底的にやりこむようにすると、翌日の背中、僧帽、二頭は悲鳴をあげています。アシストがありませんから最後はほんの数cmあがっている程度になりますが、そこまでしつこく追い込むことは通常はやらないため、それが効いているのでしょう。

狭いスペースでも可能な効果抜群なエクササイズがHIITです。ハイインテンシティ・インターバルトレーニングで、ヒットなどと呼ばれるものです。その中でも有名なのがTABATA PROTOCOL(タバタプロトコル)です。やり方は至ってシンプルで、20秒間目一杯動いて10秒間休むという組み合わせを合計8セット行うだけです。同じ動作を8セットやってもいいですし、セット毎に内容を変える方法もあります。

例えばもも上げ(ステイドランニング)を20秒目一杯行って10秒休む。これを8回繰り返すのです。もも上げ、腕立て伏せ、ヒンズースクワットなど、自重で出来るものなら何でもOKですが、なるべく大きな動きになる方が効果的です。たった4分で完遂出来ますから、時間的にも効率的です。

最後にやはりランニングでしょうか。私はどちらかといえば有酸素否定派なのですが、やはり走るという行為は運動の基本中の基本です。有酸素運動によって作り出される活性酸素が慢性的な疲労に繋がりやすく、またエネルギーを大量に消費していくことで筋肉の分解にも影響を及ぼすため、通常の筋トレの際には長時間の有酸素はあまりお勧めしていません。

しかしジムに行けないような状況においては、そもそも運動量が減っていきますし、血流は促進して毛細血管が発達していきます。逆に今だからこそのトレーニングと割り切って、ランニングを無理の無い範囲で取り入れると脂肪も落ちてグッドシェイプになるのではないでしょうか。

活性酸素が有酸素運動のデメリットだとするならば、脳内の活性化は大きなメリットです。例えばエンドルフィンと呼ばれる脳内ホルモンは、ランナーズハイを引き起こす物質です。長時間の有酸素運動はデメリットが強調されてしまいますが、20~30分程度であれば脳内は活性化して、ストレスも軽減していくという心身への好影響が期待できそうです。

このように多少劣る点はありますが、ジムという場所が無くてもトレーニングの効果は上げる事が可能です。私が考えるジムの最大の効果は、今からトレーニングをするんだというスイッチが入る事だと思っています。

今回のパンデミックでテレワークをされる方も増えたと思いますが、自宅だと逆に効率が下がるというのも、やはり会社に行く事でどこか働くというスイッチがオンになるのでしょう。ビジネスマンがネクタイをするのも同じ効果かもしれません(長い間、ネクタイをしたことがありませんが…(^-^;)。

ジムに頼らない身体作りを、期間限定のお試しだと割り切って楽しんでみてください。

image by: shutterstock

桑原弘樹この著者の記事一覧

桑原塾塾長 桑原弘樹は、国内大手食品メーカーでサプリメント事業を立ち上げ、全商品の企画開発に携わる一方、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部PDAなどの立場で、国内外問わず多くのトップアスリートに直にコンディショニング指導を行ってきた。サプリメントは作るだけにとどまらず、「日本で一番使っているのでは」と豪語するほどのユーザーでもあり、年間300回のワークアウトも欠かさない。サプリメントやダイエットなどの分野で、多くの情報が散乱する昨今。サプリメントを作り、自ら試し、活用法を指導してきた、桑原塾長が、本物で価値あるボディメイク情報を提供すべく、スクランブル発進する!!!

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