賭け麻雀疑惑も飛び出した検事長問題、「法改正」見送りの大誤算

 

責任を取るのは誰か

【東京】は1面トップ記事の末尾に、上野実輝彦記者による解説的な部分がある。1面記事全体の見出しから。

  • 検察庁法案 今国会断念
  • 定年延長 反発受け
  • 秋以降の成立目指す
  • うねる民意 首相追い込む

uttiiの眼

政府の法案成立断念の理由を、「世論の怒りや反発が想定以上だったため」とする。採決が強行されるのではないかという懸念を多くの市民が抱いていたところに、正面突破をしてしまえば政権運営に大きな打撃となり、政府・与党は先送りに追い込まれたと。

今回、世論の「声」の高まりはツイッターなどを使った「ネット・デモ」となったが、「政府は当初『声』を軽んじた」。ところが世論のうねりは続き、検察OBが反対の意見書を提出。最終的には18日、「複数の報道機関が公表した世論調査で、軒並み内閣支持率が低下し、検察庁法改正案では反対が賛成を大きく上回った」ことで、第2次補正予算案の成立優先を口実に、先送りに舵を切ったことになる。

記者は最後に、自民党中堅の反応を紹介している。「誰かに責任を取らせなければならない。進むも地獄、戻るのも地獄だ」と。

責任の所在は勿論第一に安倍首相だが、安倍氏が部下に責任を取らせるのであれば、真っ先に上げられるのは森法相だろう。黒川検事長は辞職が当然だが、どう判断するのか。

あとがき

以上、いかがでしたでしょうか。

《読売》と《毎日》からは定番コラムを取り上げたのですが、《朝日》の「天声人語」もこの問題でした。米国のポップ歌手、テイラー・スウィフトさんが政治的な発言を表明するようになった経緯を描くドキュメンタリーの話から、今回の小泉今日子サンのことへ。小泉さんは何回も投稿を続け、検察OBの意見書を読んだ日には「泣きました。そして背筋が伸びました」と書いている。発言した多くの著名人や芸能人の存在。他方で、猛反発を浴びて投稿を削除した人気歌手もいたことなどについても書いている。

image by: 首相官邸

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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