新型コロナ禍で変わる日本
パンデミックの前にも、日本には変化の兆しがありました。たとえば、「働き方改革」。「働き方改革法」は、ひどい悪法ですが、いい変化もありました。政府が大騒ぎしたおかげで、「働き方改革」が大流行した。たくさんの会社、役所で、労働時間が減少しました。
そして、新型コロナ禍で、さらに状況が変わりました。強制的に「テレワーク」が普及したのです。テレワークは、すばらしい仕組みです。これで、通勤時間往復2時間が浮く。この時間を家族のために使うことができる。緊急事態宣言の最中でも、食料品の買い出しにはいきます。それで、気がついたことがありました。昼間からお父さんが、子供と公園で遊んでいる。カップル(たぶん夫婦)が、平日の昼間から手をつないで散歩している。
カルビーの英断
TBS NEWS 6月25日に、「カルビーの英断」に関する情報がありました。
コロナをきっかけに変わる働き方。カルビーは、来月からテレワークを無期限で延長し、単身赴任もなくします。
つまり、新型コロナ禍が終わっても労働形態をパンデミック前には戻さないと。もう少し詳しく。
カルビーは来月以降、オフィスで働くおよそ800人の働き方を原則として、「出社勤務」から「テレワーク」に変更します。これに伴い、業務に支障がないと認められた場合は、単身赴任をやめて家族と同居できるようになるということです。また、通勤の定期代の支給をやめて、出社する場合は交通費を実費で支給します。
(同上)
変わるのは、
- 出社する必要がなくなる。テレワークが常態になる
- 単身赴任がなくなる。家族と同居できるようになる
- 定期代の支給をやめる。交通費は実費で支給
これからカルビー社員のうち800人は、ほとんど出社せずに、自宅で働くことになります。夫婦、親子は、顔を合わせる時間が長くなる。夫婦は、家事、子育てを共同でこなし、負担、ストレスが減るでしょう。通勤往復2時間が自由になることで、睡眠時間も伸びるかもしれない(日本人の睡眠時間は、世界一短い)。夫婦、親子の会話が増え、家族円満になっていくかもしれません。
重要なのは、カルビーがなぜこの決断をしたかです。
社員のアンケートで「コロナ感染症の拡大前の働き方を変えたい」と答えた人が回答者の6割に上るなど、社員の意識が変化したということです。
(同上)
つまり、パンデミックで「強制テレワーク」をしてみたら「そっちの方がよかった」ということです。日本は、パンデミックのおかげで、「家族大切主義」の方に向かうことでしょう。
経営者さん、幹部さんへのお願い
RPEの読者さんは、日本と世界を変えようとするスーパーエリートが多い。それで、経営者、起業家、会社幹部の方が、山ほどいます。そんな皆さんは、「新型コロナウイルスが収まってきたら、テレワークはやめて、勤務形態を元に戻そう」と考えておられるかもしれません。しかし、私は皆さんに、「できるかぎりテレワークをつづけてください」とお願いしたいです。なぜなら、それが「時代の流れ」だからです。
昭和、前半は「敗戦に向かった時代」でした。昭和、後半は「会社教で大復活した時代」でした。平成は2年目にバブルが崩壊して、「会社教が死んだ時代」でした。令和は2年目にパンデミックが起こり、「家族大切主義で大復活する時代」になります。それで、そっちの方向に沿っている会社は栄え、相変わらず昭和、平成の経営、働き方をやっている会社は、衰退していきます。
テレビをつけると、「日本は全然ダメだ。崩壊するしかない」と感じるかもしれません。しかし、日本は、着実にいい方向に変化しています。
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