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メイクやマスク以前の問題。コロナ禍の「Zoom会議」失敗の原因とは?

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今までリモート会議やテレワークを導入していなかった企業の多くが、対応を余儀なくされています。しかし、不慣れなオンライン会議を「うまく進めるのは難しい」という意見をネットなどでよく見かけますよね。そこで、今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、自身が体験した「上手くいかなかった会議」の例をもとに、「うまくいく」進行方法について語っています。

今どき「オンライン会議」は当たり前。でも…

コロナの影響で、外出を自粛しています。仕事もテレワークがほとんどです。会議もオンラインが多くなっています。

このオンラインも良いことばかりではありません。リアルと同じようにはいかないこともあるからです。

「オンライン会議」を有意義にするために知るべきこと

あなたは会議を開催する立場になることも多いでしょう。その会議がなかなかうまく進まないという経験もあるのではないでしょうか。

会議がうまく進行しないのには、いくつかの理由があります。例えば、

1.議題が参加者に伝わっていない
2.司会進行者が明確でない
3.事前準備が十分にされていない
4.話が横道にそれる
5.参加者の発言機会が少ない
6.使用機材の操作が分かっていない

といったことですね。

先日、ある全国組織のオンライン(Zoom)会議に参加しました。参加者は全国から30名ほどです。オンラインは便利ですね。今までなら、全国の参加者が一同に集まって行いますので日時・場所の設定や経費負担が大変でした。ところが、オンラインならば参加者の移動が必要ないので旅費も時間もかかりません。これなら、頻繁に会議が開けそうです。

そんな便利なオンライン会議ですが、今回の会議は残念ながら、「会議の進行がうまくいかない理由」のいくつかにピッタリとはまってしまいました。どんな理由で進行がうまく行かなかったのか、その模様を再現してみましょう。

まず、「議題が参加者に伝わっていない」については大丈夫でした。参加メンバーには、事前に4つの議題がメールで伝わっていました。

・現状の主な活動状況
・前回の議事の確認
・今後の内部活動に関する報告、検討、承認審議
・今後の外部活動に関する報告、検討、承認審議

です。内部、外部活動には、それぞれ具体的な議題が列記してあります。これらについて話し合われるだろうということが分かる内容です。

さて、会議が始まる10分前には続々とメンバーがZoomに参加。開始の時間まで、親しいメンバー同士の挨拶やよもやま話がかわされます。ちょっとしたアイスブレークタイムです。

Zoomでもリアルでも、会議は準備に始まり準備に終わる

定刻になったので、進行役のA氏が会議を始めます。するとA氏は簡単な挨拶に続いて、司会者にB氏を指名するのです。なーんだ、司会進行はA氏ではありませんでした。指名を受けたB氏は議事次第にそって、議事に入ります。

ちょっと待ってください。リアルな会議ならば、それぞれの参加者の机の上には、関連資料が配られているはずです。もしくは、事前に配られています。ところが、今回のオンライン会議では、そうした資料がいっさい配られていません。参加者にとってはつらい状態です。つまり、「事前準備が十分にされていない」状況で参加をしなければなりません。

オンラインだからこそ、よけいに関連資料が事前に伝わっている必要があります。おそらく、会議での内容が分かっているのは、A氏とB氏だけでしょう。これでは会議がうまく進みません。

そんなことをよそに、司会のB氏は最初の議題に入り、あらかじめ決められた「報告者」に話を振ります。しかし、指名をされた「報告者」は、何を報告して良いのか、よく分かっていないようでした。明らかに打ち合わせ不足です。

すると、最初に進行役を務めたA氏が、議事を進めるために司会のB氏に代わって話に入ってきます。それ以降、議事の主な進行はB氏ではなくA氏が仕切っていくのです。これはいけません。進行役が二人になってしまいました。「司会進行者が明確でない」状態です。たぶん、A氏とB氏との間で、進行についてしっかりとした打ち合わせができていなかったのでしょう。

こんな感じで、参加者への資料もなく会議は進んでいきます。そして、今回の会議のメインの議題である「今後の活動に関する報告、検討、承認審議」に議事は移りました。ここからが、また大変でした。

■進行役の役割

報告・検討事項として、パワーポイントの資料が用意されていました。A氏が、Zoomの「共有」機能を使って、参加者全員に資料を見せようとします。ところが、A氏はうまく表示をさせることができません。Zoomの「共有」操作に慣れていない様子です。「使用機材の操作が分かっていない」ことで、会議の進行がとどこおります。A氏は何度も操作をやり直して、ようやく資料を見せることが出来ました。

「機材の操作」では、別のトラブルも発生します。会議中に参加者のパソコンやスマホから、余計な音が入ってしまい、会議の邪魔です。参加者の何人かが「ミュート(消音)」にしていないので、家族の声やTVの音が聞こえてしまいます。これでは、会議に集中できません。

そうならないためには、進行役のA氏かB氏が、参加者の音声を「ミュート」に切り替える必要があります。もしくは、発言者以外はミュートにするよう、あらかじめ伝えておくことです。これも進行役のミスといえます。

さらに会議は進み、A氏から「提案事項」の説明があり、「決議」に入ろうとしました。しかし、参加者の一人から異議がでます。「決定をするには拙速にすぎ、もう少し討議を重ねる必要がある」という意見です。A氏にとっては予想外のことのようでした。この場で「決定」に持ち込みたいとの気持ちが強く、強引に進めようとします。

これはいけません。関係者との意見のすり合わせが出来ていないようです。

結局、「決定」は持ち越されましたが、参加者の皆さんはこの議事進行を見て、少しつらい気持ちになったのではないでしょうか。

その後、A氏はいくつかの提案をしていきますが、どれもあまりうまく進みません。「話が横道にそれてしまう」こともあります。この状況で司会者のB氏は何をしているのでしょう。B氏は提案や議論をうまくまとめて、会議をスムーズに進めていくのが仕事です。「進行役」の役目がいかに大事かということがよくわかりました。

この90分の予定だった会議は2時間で終わることになります。まさに、うまく行かない会議の典型のようでした。そして、会議にはいかに「事前準備」が重要かということを思い知らされました。

あなたも会議を開くときは、念には念を入れて事前の準備をしましょう。

■今日のツボ■

・会議の進行がうまく行かないのには、理由がある
・会議は進行役の能力に左右される
・会議の成否は「事前準備」にある

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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