元マイクロソフト社員だから分かる、TikTok電撃買収の真の狙い

 

トランプファン大喜びの「ディール」発言

それとほぼ平行して、トランプ大統領が、8月2日の記者会見で、TikTokに関して発言をしました(「Trump calls TikTok a hot brand, demands a chunk of its sale price」)。要約すると、

  • MicrosoftのCEO、Satya Nadellaからこの件に関して連絡を受けた
  • Microsoftに限らず、米国の企業が運営するのであれば問題はない
  • 一部だけを買うのではなく、TikTok全部を買収すべきだと思う(個人的意見)
  • 9月15日までに買収が成立しなければ、TikTokは停止させる
  • 買収は米国政府が関与しなければ成立しないので、その一部を米国政府に納めてもらう

となります。特に最後の部分は、いかにもディール好きのトランプ大統領が思いつきそうな話で、このディールが成立すれば、トランプファンは大喜びし、大統領選にもプラスになると考えているのだと思います。

買収金額に関しては、通常の状況であれば米国のオペレーションだけで$20~$40 billion(2,000~4,000億円)の値段がついても不思議はありませんが、「9月15日までに売却しなければならない」という厳しい条件がある上に、Facebook、Google、Appleは独禁法の観点から買収先として相応しくないため、Microsoft側は圧倒的に有利な条件で交渉を進めることが可能です。

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