新型コロナウイルスの影響もあり、首都圏の中古マンション価格が下落しています。そんな中、売却を検討している人に「コロナ禍が落ち着けば都心部では絶対に値段が下がらない」と思いとどまるようアドバイスする仲介業者も存在するとのことですが、この先市場はどのような動きを見せるのでしょうか。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』ではマンション管理士の廣田信子さんが、半年後の中古市場を予想しています。
東京都心6区の中古マンション価格がマイナスに転じた
こんにちは!廣田信子です。
東京カンテイが、7月21日に、三大都市圏・主要都市別に6月の中古マンション価格の推移を発表しています。首都圏では、前月比-0.2%の3,668万円と4ヵ月連続の下落となりました。
東京都に限ると前月比-0.5%の5,074万円。東京都心6区では前月比-0.9%の8,294万円と、8ヵ月ぶりにマイナスに転じました。一方、その周辺エリアの城南、城西、城北、城東エリアは、5月はそろって下落していましたが6月はプラスに転じています。
神奈川県(+1.1%、2,869万円)では上昇に転じ、埼玉県(+1.1%、2,278万円)では引き続き上昇しましたが、前年同月比では、ともにマイナスを示したままです。千葉県では+0.7%の2,092万円と前月に引き続き上昇しており、前年同月比でも、プラスに転じ、3月に記録した直近での最高値(2,105万円)に再び近づきつつあります。
近畿圏平均は前月比+0.5%の2,450万円と、小幅ながら引き続き上昇しました。ところが、大阪府では-0.2%の2,643万円と僅かながら再び下落。一方、兵庫県では+1.1%の2,166万円と3ヵ月ぶりに上昇しました。
中部圏平均は前月比+0.1%の1,944万円。愛知県でも+0.4%の2,079万円と上昇。安定した価格推移が続いています。
ちなみに、この数字は、東京カンテイのデータベースに登録された中古マンションの「売り希望価格」を行政単位ごとに集計、算出し、70平米に換算して表記されています。「売り希望価格」であって実際に売買が成立した価格ではないということです。そして、広さも同じにそろえられているということです。
改めて、東京都、特に都心6区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区、文京区)の価格の高さが特出しています。70平米というのは、決して広いとはいえませんが、それでも、中古で8,000万円以上というのは…実勢の価値に合っているのでしょうか。
通勤に便利、充実した共用施設と言う売りが、コロナ禍の中ではそれほどの意味を持たなくなりつつあります。周辺地域の広い物件に買い換えたいという人は、私の周りにもけっこういます。そして、いつが売り時か様子をみています。今、希望より少し下げても、売った方がいいのか、もう少し待っていた方がいいのか…。売りが重なると、価格が下がるので、仲介業者は、もう少し待って、都心部はコロナが落ち着けば絶対に下がらないから…というようですが、それは本当でしょうか。
もし、東京オリンピックの中止が決まったら、高止まりを維持している新築マンションの価格が下がったら、一気に下落が始まるのでは…。半年後には、マンションの中古市場も大きく動く気がします。
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