「幸せ」は曖昧。まず追求すべき「不幸にならない」最低条件とは

 

4.誰かに喜ばれる仕事を創造する

さて、ここで幸せについて考えたい。仕事と幸せは別物だ。忙しく充実していることと、幸せとは違う。幸せは刺激とは反対のことだと思う。もっとも、この考えは年齢によって変わる。私も若い時には、刺激を求めていた。普通のこと、平凡なことなんてまっぴらだった。刺激の中にこそ、幸せがあると感じていた。

しかし、歳を経るに従い、あらゆる刺激は弱くなっていく。最早、刺激的な尖った仕事は回ってこない。それは若い世代の仕事だ。弱い刺激の中で、ほのぼのと充実している幸せがあるのではないか。最近は、そんなイメージが浮かんでいる。

幸せの前に不幸にならないこと。嫌なことはやらない。嫌な人とは付き合わない。命令されること、強制されることはやらない。好きなこと、面白いことだけで生活を維持する。それが不幸ではない最低条件だ。不幸ではない生活を淡々と過ごすのも幸せにつながる。お金があれば使うが、なければ使わなければいい。幸せとは生活の維持を超えるところにある。

社会に求められる仕事、感謝される仕事を自ら創造する。これは意外に難しい。与えられた仕事は、必要な仕事だ。お金になるし、誰かのためにはなる。しかし、創造した仕事は誰の役にも立たない可能性がある。お金にもならないことを、勝手に考えて勝手にやるだけだ。

それが、本当に誰かの役に立って、喜ばれたら、幸せな仕事ではないか、と思う。そして、幸せな仕事をして、毎日を過ごすことができれば、それは幸せな暮らしにつながるのだろう。

編集後記「締めの都々逸」

「刺激求めて 仕事に挑み ぼけずに 死ねたら 大往生」

老後っていつから始まるんでしょうね。老の後だと死んでるんじゃないかと思いますが。そろそろ老の時期に入ろうとしていますが、何も変わりません。相変わらず、カツカツで毎日を生きています。普通のサラリーマンなら定年ですが、退職金があるわけでもなく、仕事をやめれば、収入がなくなるだけです。

そんな中で幸せを考えたいなと。でも、幸せって難しいですね。不幸ならすぐに分かるんですけど。とりあえず、不幸になることはやらない。それだけでも、幸せかな。(坂口昌章)

image by: Shutterstock.com

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