家の中がどうにも片付かないというお悩みを持たれている方、少なくないですよね。もしかしたらそれは「モノの収納場所」が原因になっているかもしれません。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、「家事動線」に注目した上で、理想の収納場所を考察・紹介しています。
収納場所を考える
さて、本日は収納場所のお話。
いや、今回はひきだしとかクローゼットのお話ではなく
- 家の中に収納場所を配置するならドコ?
というお話です。つまり、新築や大規模リフォームの際に考えることです。その意味で、通常の家事の範囲ではありませんが、家事のしやすさに直結していますからね。そのうちリフォーム…と思っているなら是非少しずつでも考えてほしいと思います。
収納場所をどこに配置するのかは、
- 家事を効率化する上でとても重要
です。モノを出し入れする場所と作業する場所は、
- 近いほど効率がいい
からです。決まった間取りの中で家事をすることに慣れてしまっているとその間取り自体が家事の効率化を妨げていることに気がつきません。よくある
- リビングのソファーに脱ぎっぱなしのコートが…
- DMやチラシがいつまでも片付かない…
などは、実は間取り自体に、もうちょっと違う言い方をすれば家事動線自体に問題があることが多いんです。
なので、現実の間取りをちょっと忘れて、イチから考えてみましょう。日常の家事には、どんな家事があってどこで作業しているでしょうか?
主な家事である料理・掃除・洗濯のうち、実は間取りを変更する価値が高いのは
- 洗濯
じゃないかなと思っているんです。
まず、料理は、キッチンで作業しますね。ここは結構完結しているんですよね。キッチンとダイニングはとても近く配置されていてそれほど問題がありません。
次に、掃除。これは汚れたところをキレイにするんですから、固定的な作業空間があるわけがないんですよね。なので、これも除外すると。
で、残る洗濯ですが、これは考えると面白い。
洗濯はどこで作業されるんでしょうか。まず、服を着るんですよね。多分自分の部屋で着替えるんだと思います。で、1日着た下着やらシャツやらは、ぬぎぬぎされます。さらに、その服が次にどうなるかと言えば、洗濯されてで、洗濯された服が次にどうなるかと言えば、各自の部屋に収納です。つまり、洗濯は
- 着る→脱ぐ→洗濯→干す→たたむ→収納→着る…
の一部です。( ̄◆ ̄) 洗濯だけが家事の一部のような錯覚がありますがそれは、まさに錯覚にすぎません。
洗濯は、着るところから再び収納される一連の流れが長く、しかも、この作業場所を考えてみましょう。おそらく
- 着る→各自の部屋
- 脱ぐ→各自の部屋・脱衣所
- 洗濯→洗濯機のあるとこと(フツー脱衣所)
- 干す→ベランダ・外(あるいは乾燥機)
- たたむ→リビングなどまちまち
- 収納→各自の部屋
こんな感じじゃないでしょうか。そう、作業場所が
- 家中に散らばっている…
んですよ。これだと、作業を完結させるために、家中を動き回らねばならず、
- 作業…移動距離が増大
してしまうんです。その動線上にリビングやダイニングチェアがある場合にはそのままソコに脱ぎっぱなし置きっぱなしになって、散らかる原因になるんですね。
いや、そりゃもちろんすぐに片付ければそれがいいんでしょう。ですが、それは片付ける人の家事スキルと時間に頼っていますよね。それよりも片付けやすい間取りにしておく方が個人の負担が少ないと思うんです。
こういう観点から、ご自宅の収納場所を見直してみてください。結構、
- こんなに離れている…
ところにあったりしますから。
では、ドコに収納場所を設けたらいいのかというと、あ、コレはワタシ的結論ですよ。念のため。私としては
- 玄関のとなり
- 脱衣所のとなり
だろうと思います。
まず、脱衣所ですが、これは洗濯に直結しているんです。脱ぐ→洗濯→干す→たたむくらいまでを脱衣所でできるといいですね。この参考になるのが、洗濯王子の間取り
● 洗濯王子による、洗濯するための家。「センタクアトリエ」のこだわりがハンパない
です。これはスゴい。彼は洗濯を本業にしているので、大きな「アトリエ」がありますが、参考にするのはソコじゃない( ̄∇ ̄)
- 脱衣所・アトリエ・衣類管理室・乾燥場所がすべて隣接
している点です。家事の中でも大きな労力を割く衣類に関することがすべてここで完結しますよね。
洗濯後のことも考えてあって、
- 衣類管理室がクローゼットの役割
を果たしているようです。乾いた後も、家族それぞれの引き出しにしまってオシマイだとか。いいなあ。
ここまでの収納をいますぐ実現するのは難しいでしょうが、各人の洗濯物を分別するくらいは、洗濯している場所の近くに移動させられるといいですね。その方法については、先日記事をアップしましたね♪
洗濯する場所のすぐ近くに衣類の収納場所があるとすると、各人の部屋には
- 個人的なものを収納するスペースだけ
があれば十分ということになりますね。本や勉強道具、趣味の道具などでしょうね。これは直接家事に関係のないものばかりなので、家事の効率を押し下げることにはならないですから。
家の中で収納場所を作るなら、どこにすべきかというお話でしたね。で、ひとつは
- 脱衣所の近く
ここは、衣類関連の家事を一括して作業できるので、収納スペースがあれば、家事の労力削減には大きく貢献できると思うんですよ。
もうひとつは
- 玄関のヨコ
です。家庭には、外で使用して、家の中では全く使わないモノがたくさんあるんですよ。いやいや、ありますって。たとえば
- 靴
- バッグ
- コート
- 傘
- 帽子
などです。部活やクラブでスポーツをされる方がいる場合には
- スポーツ用具(ボール・ボード・クラブ・専用シューズなど)
も該当しますね。我が家のように出張が多い家庭では
- 旅行用のバッグ・スーツケース
もそうですよね。
これらは、家の外でしか使わないので、家の奥深く、たとえば寝室の押し入れみたいな場所に収納すると
- 取り出すのがとても面倒…
になってしまいます。
しかも、これらは外で汚れや菌、ウィルス、害虫の卵などなどが外でくっついてきているはずで、
- とても汚れている
んです。なので、これらは、すぐに外に持ち出せる場所、つまり
- 玄関の近く
に収納されるべきだと思うんですよ。最近の間取りで、玄関のヨコに大きなウォークインクローゼットが設けられているものがありますが、実に理に適っていると思います。
逆にここに収納スペースがないと(大半の家がそうだと思いますが)
- 玄関がごちゃつく
ことになるんです。他の場所ならともかく、玄関にあとから収納スペースを設けるのは、至難の業です。収納グッズ自体が玄関をごちゃつかせかねませんからね。なので、こここそ予め計画するしかないでしょう。
ちなみに我が家。玄関付近に収納スペースはありません( ̄∇ ̄) が、幸いなことに、比較的近くに階段下があり、ここを工夫すれば出張用のバッグ・スーツケース類は置けそうなんですよね。なので、今年の目標のひとつが
- 階段下の収納スペース化
です。
あとから足せない収納スペース。絶対設けておきたいのは、玄関と脱衣所ですよ。
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