平嶋氏の言うように「軍門に下らない官僚は許さない」という姿勢で、政治と官僚組織の間に本物の信頼関係が生まれるとは思えない。恐怖感を植えつけて官僚を意のままに動かそうとしても、官僚組織から生まれるアイデアは、例えばアベノマスクのような愚策であろう。
デジタル化の遅れが指摘されて久しいが、安倍政権は何ら手を打ってこなかった。平井卓也デジタル相の言う「デジタル敗戦」に至るまで放置していた責任は安倍前首相と菅現首相にあるが、報復人事を怖れ、忖度と保身に明け暮れる官僚組織に、デジタル化推進のエンジンが不在であったことも大きな原因だ。
具体性のある政策を閣僚に指示して、勢いよくスタートダッシュを切ったように見える菅政権。されど、官僚のやる気を引き出す政策も同時に進めない限り、やがて息切れするだろう。
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