まねしたでんき、まねくろそふと。パクリ+αで世界を制する企業戦略

 

ビル・ゲイツは戦略家。対オラクルのケース

ビル・ゲイツもイーロン・マスクもエンジニアであり、経営者である。しかし、ステイーブ・ジョブスとジェフ・ベソスはエンジニアリングを勉強したこともないし、する気もない。

この4人に共通しているのは、戦略家であるということ。これが経営者としては、一番重要である。即ち、世界を相手にする時には一人で全てをやることはできないため、自分に足りないものが何かを理解して、それを補う人と組めばよいわけだ。

ジョブスはウオズニアックと組んだ。エンジニアとしては、ゲイツよりもウオズニアックがすごいというのが一般的な見方だと思うが、世界のトップになってしまうと我々のような素人が判断できるわけもない。

しかし、戦略家のゲイツは凄い。今回のケーススタディは対オラクルで取ったゲイツの戦略である。ゲイツがインターネットを世に広めた、Netscape社のブラウザーをMicrosoft社製品に載せないで潰したことは、映画にもなっているので有名である。これらは司法省に独占禁止法違反と訴えられるという、まだ経営者としては未熟な戦略であった。

しかし、その後、経営者としての戦略がどうあるべきかを学んだゲイツは高度な戦略に出る。

2009年3月18日にIBMがサンマイクロシステムズの買収を諦めたらすぐにオラクルが交渉をはじめ、一カ月後の4月20日には74億ドル(8100億円)の買収を発表。

2010年の1月のEU委員会が独占禁止法にひっかからないと判断して、オラクルによるサンマイクロシステムズの買収が完了。

Stanford UniversityNetworkの頭文字を取った会社の買収をした理由の一つに、サンマイクロシステムズが開発したJavaという言語が開発時間を短縮し、財務およびHRに適したプログラミング言語として世界中で利用されており、現在では3億のデバイスで動作し、1200万人が開発で使用し、250億のJavaベースのカードが購入されたとオラクルが発表するぐらい可能性がある言語であったからだ。

これに対してマイクロソフトは、オラクルに対してのロイヤリティを払いたくないため、Javaに似た言語を国際標準化してしまった。これがEcmaScriptと呼ばれるもので、90%がJavaと同じ。Javaが取得している特許のところだけを上手く迂回するような言語として、世界の標準化にしてしまったのだ。

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