“何故うちの息子を落としたのですか!”って抗議するため?いえいえ、そうではなくって、彼は、監督に、テストに落ちてチームに入れないことは聞きました。でも、明日からの練習に参加してはだめですか?一緒に練習させてもらうだけでいいのです。とお願いしたそうです。
監督は、あくまでもチームには入れないし、試合には出られませんが、それでも良いのであれば、練習に参加するのは問題ありません。と言ってくれたそうです。彼はそのときの心境を、父親としてできることは、息子に再度チャンスを与えてあげることだけだと思った。と、言っていました。
そして、彼の12歳の息子は、翌日から3ヶ月間、練習を1日も休むことなく、誰よりも早く練習場に現れ、誰よりも真剣にボールを追い、誰よりも遅くまで練習し、後片付けもこなしたそうです。
そして、3ヵ月後に、監督から、彼のもとに電話があって、息子と2人で夕食に招待されたんだそうです。そして、夕食を食べながら、監督から、チームで一番たくさん、そして真剣に練習してる彼を落とすわけにはいきません。明日からはチームの一員として参加してください。と言ってもらえたんだそうです。
息子の方はとにかく笑顔で喜んでいたそうですが、彼は、うれしくって涙がとまらなかったそうです。彼は、金持ちの彼だから特別にできることをやったわけではありませんよね。誰にでもできることの中で、彼がベストだと思うことをやっただけです。
息子の方にしても、チームに入れなかったら、悔しくても受け入れて、あきらめる、というのが普通ではないでしょうか?ところが、彼の息子はあきらめきれなかった。あきらめて、別の手を考える。とは思えなかった。どうしても自分の力が足りない、とは納得できなかった。まだまだできる!と思った。
だから、その様子を見かねた父親が、息子のやる気を信じて、息子がもう一度チャンスを得られるよう、監督に頭を下げて、ここが大切なんですけど、“監督も困らず”、“しかも息子にもチャンスが訪れる”という、最高の解決法を見出して実行した。
そして、みごとに息子はできる限りのことをやって、父親の期待に応えた。いや、彼は単に自分の思いを実現しただけ、なのかもしれません。どっちにしても、これって、お互いの信頼関係の勝利って気がしません?
父親の、12歳の息子に対する信頼。
そして、12歳の息子の、父親に対する信頼。
信頼関係に歳の差は関係ないんですよね。
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