アリババ創業者マー氏の失踪に見えた中国崩壊。四千年の歴史は繰り返す

 

問題はそのような混乱を中国はしっかりと自分たちで乗り越えながら、近代的な国家に脱皮してゆかねばならないのです。もう途上国ではないと宣言するのなら、途上国型の独裁も返上すべきです。また、そうでなければ、やがて国は行き詰まるでしょう。

いずれにしても、そのような動揺、それも本質的な動揺が見えてきたというのが、この4年間の中国に出てきた兆候です。そこでアメリカはどう振る舞えばいいのか、そして日本はどう振る舞ったらいいのか、単にインド太平洋戦略を掲げて囲い込むだけでは全く足りないと思うのです。

問題はとりあえず1つ。中国が内政の混乱を対外的な軍事的緊張に転化するというのは、絶対に阻止するということです。

どうなんでしょう?バイデン=ブリンケン=カート・キャンベルといった、90年代から対中外交を見てきた面々に、そうした新しい時代への問題意識が持てるのかどうか、時間はそんなにないと思うのです。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より一部抜粋・文中一部敬称略)

image by: Drop of Light / Shutterstock.com

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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