NHK「受信料値下げ」の大嘘。改正案に盛り込まれた逃げ道と罰則

 

【サーチ&リサーチ】

9件の記事中、最も早いのは昨年の11月のもの。

2020年11月13日付
国会で、武田総務相が「「コロナ禍において、家計の負担を減らす受信料の値下げに着手するのが公共放送としてのあるべき姿だ」と述べ、引き下げが必要との認識を示した。」との記事。「武田氏は、菅首相が看板政策に掲げる携帯電話料金の引き下げに注力してきたが、国民からは「携帯電話よりむしろ、NHK受信料を考え直すべきだという意見が多数寄せられた」と話した」とも。

2020年11月20日付
「テレビを設置しながら受信契約を結ばず、不当に支払いを逃れる人には割増金を課すことなどが柱となる。テレビを設置した際に届け出を行う制度の導入は見送る。」

*支払い拒否に対する対策として、「割増金」が選択され、「設置届け出義務」は見送られた。

2020年12月12日付
武田総務相は前田会長を批判。受信料値下げについて「早期にやらずしていつやるのか」と批判。

*ようやく、NHKが2023年度中の値下げを決断したのは、今年になってからのことだった。

2021年1月13日付
「NHKは、2023年度中に受信料を大幅値下げする方針を固めた。NHKの受信料収入は現在、約7000億円規模に上るが、その約10%相当の値下げとすることで調整する。NHKは、これまで「もうけ」として蓄えてきた巨額の「繰越剰余金」の一部を、値下げのための原資として積み立てる仕組みを新設し、値下げに踏み切る。」

●uttiiの眼

収入の大半を受信料で賄っているNHKに、剰余金が溜まっていく構図は、「受信料の取りすぎ」に他ならない。使いきれないほどのカネを集めてしまったのだから、余れば値下げに充当するのはむしろ当たり前。しかし、政府から「コロナ禍の今、早期に値下げすべきだ」と批判されても、当初、動こうとしなかったくらいで、実に、事柄の「公共性」について鈍感な組織だということが分かる。

NHKの問題はもちろん、受信料の問題だけではない。安倍政権下での「政権べったり」ぶりは、公共放送としての矜持を捨て去ったかと思われるほど酷いものだった。菅政権下でもキャスターの発言に対する政治的圧力が掛かったと思われる事例が出てきつつある。ますます、番組内容に対する峻厳な批判が必要になってくるだろう。

image by: Dutchmen Photography / Shutterstock.com

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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