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中国とトルコに下る裁き。「好々爺」バイデンが許さぬ敵と裏切り者の罪

危惧されていた大きな混乱も起きることなく、1月20日に執り行われたバイデン大統領就任式。新型コロナウイルスへの対応やトランプ氏が破壊した各国との関係修復など課題山積の中での船出となりましたが、「トランプ後」のアメリカと世界はどのような道を辿ることになるのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では著者の島田久仁彦さんが、さまざまな情報や要素を勘案しつつ、今後の世界情勢の予測を試みています。

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バイデン新大統領のアメリカ合衆国と国際情勢の行方

2021年1月20日、第46代アメリカ合衆国大統領ジョー・バイデン氏の政権が正式にスタートしました。1月6日の反対派による議会占拠事件を境に、一気に反トランプの流れがワシントンDCでも決定化しましたが、そのような中でもまだ就任式当日の混乱を予想させるような気配も多くありました。

しかし、ふたを開けてみると、予想に反して非常に穏やかな雰囲気の下、そしてトランプ前大統領不在の下、政権交代が行われました。

普段ならば歴史的な瞬間に立ち会う国民で埋め尽くされる会場は、コロナの影響もあり、国民の代わりにコロナウイルスの感染拡大によって失われた生命への敬意を表するために、数多くのアメリカ合衆国国旗がはためくという演出により、厳かな雰囲気に包まれました。とりあえず、新政権の船出は平穏に始まったと言えます。

ドナルド・トランプ大統領の下での4年間、国際情勢は大きく変容し、自国第一主義が世界に広がりました。またコロナウイルスの感染拡大により、世界は大きな混乱と悲しみに見舞われ、その災禍はまだ止まる気配がありません。

新しい大統領が生まれ、大きな政策転換が行われる中、まだこの脅威が収まることはありません。バイデン政権にとってのプライオリティーNo.1は間違いなくコロナを克服し、一日も早くアメリカ経済の立て直しをすることでしょう。

多くの主要閣僚候補の議会での聴取もスピーディーに終えられ、Day 1から早速コロナとの闘いという困難な仕事にとりかかる姿勢を示しています。

アメリカ合衆国が本格的に国際舞台において、バイデン新大統領の公約通り、協調への復帰を行い、再度、major playerとして“暴れる”まで、コロナ対策にかかりきりであるため、しばらくの時間を要するでしょうが、早速いくつかの動きがありました。

パリ協定への復帰のための大統領令の署名、トランプ前大統領がスタートさせたWHOからの脱退のキャンセルを行うための大統領令への署名…早速America is Backをアピールすることも忘れていませんが、国際社会の見方は、まだまだ本当にアメリカは国際協調に戻ってくるのかどうかについては、半信半疑なようです。

そのような中、米国“不在”の国際舞台において、勢力拡大に勤しむのが中国です。

ASEAN諸国をはじめ、アフリカ、中東、そして欧州各国を自陣に取り込む作戦に乱れは生じておらず、途上国で生じる膨大かつ深刻な債務不履行問題に付け込む形で、半ば縛り付けるかのように中国の勢力圏の確保に乗り出しています。

ASEAN各国は、中国の企みに上手に乗りつつ、債務の軽減や衛生戦略物質の確保、そして何よりもワクチンの早期獲得の約束を取り付けるという現実的な政策方針に転換しています。

とはいえ、南シナ海問題における緊張関係は少しも緩和されておらず、「経済・社会的側面と国家安全保障問題とをきれいに切り分けた」路線を取っています。

RCEPを通じた中国経済圏との連携を強化し、中国の経済力による優位性を受け入れる半面、欧州・米国、そして日本ともタッグを組んで、伸長著しい中国の領土的な拡大への警戒もさらに強め、中国封じ込めの一翼を担うという【両にらみのギリギリの外交戦略】を遂行中です。

今後、中国が、対欧米、対日、そして対国際社会という側面で、ASEAN各国にどのような「飴と鞭」を用いるのか。

その強さと内容は、今後、バイデン新政権がどのようなアプローチをアジアに対して取ってくるのかにかかっています。

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中国にはトランプより厳しい姿勢を取るバイデン

そのバイデン新政権ですが、まだ始まったばかりですので何とも言えないものの、トランプ政権以上にアジアシフトを強め、“同盟国”との連携を通じた中国封じ込めの政策をとるのではないかと思われます。

バイデン大統領は、ほとんどすべての側面でトランプ政権の政策の反転を狙っていますが、唯一継続され、かつ強化されるのが、アメリカの対中強硬策でしょう。

トランプ政権がスタートさせた貿易摩擦・貿易戦争に加え、人権問題や環太平洋の安全保障の側面からも、総合的に中国との対立姿勢を強めることになるでしょう。

国務長官に就任したブリンケン氏の姿勢や、新しく財務長官に就任したイエレン氏の言動からも読み取れるように、バイデン政権は、議会両院ですでに形成されている超党派での対中強硬論に後押しされて、より厳しい姿勢を取ることになります。

パリ協定復帰に伴い気候変動問題では、オバマ政権に倣って中国との協調を図るかもしれませんが、同じ国際協調への帰還と言っても、脱退を撤回したWHOにおいてはベクトルは正反対だといえます。

それは、中国の影響力のこれ以上の伸長を許さず、トランプ政権が批判し続けた【新型コロナウイルス感染症の中国起源説や陰謀説】を継続した対立構造を選ぶということを意味します。

そしてブリンケン国務長官が、前政権来の対中強硬策を継承し、加えて、ポンペオ前国務長官が宣言した【新疆ウイグル地区での中国共産党による蛮行は大量逆説(ジェノサイド)と認定する】との認識を共有する旨、表明したことで、バイデン政権もまた、中国に対して拳をより高く掲げ、対立姿勢を鮮明にしました。

もちろん中国からは内政干渉だと反論があり、さらに両国間の緊張が高まっている中、「中国の野望にいかに対処し、過剰なまでの迅速な勢力拡大による蛮行に対処するのか」といった戦略を早急に立てなくてはなりません。

その戦略の効果を左右するのは、欧州、特にEUとの連携がどこまで進む・回復するのかにかかっているといえます。

マクロン仏大統領、フォンデアライエンEU委員長、メルケル独首相などは、バイデン政権誕生に際し、欧米関係の修復と全面的な協調を期待するコメントをしていますが、バイデン大統領がどこまで欧州との関係修復に重点を置いてくるのかどうかについては、懐疑的な見方も強いと聞きます。

それは、オバマ政権下で始められ、トランプ政権下で顕在化した、アメリカの欧州離れに起因します。

特にトランプ大統領が明言した駐ドイツアメリカ軍の規模縮小問題と、アメリカが持つNATOにおける負担金問題に関わる欧州各国への不満の存在が底辺にあります。

ロシアからの脅威に備えるためのアメリカによる欧州防衛というのが元々の趣旨ですが、バイデン大統領やブリンケン国務長官のロシア脅威論の存在があるにもかかわらず、新政権では新たな“敵”である中国への対抗が、対ロシア政策よりも重視される傾向が見られます。

そのことから、協調を図りつつも、バイデン大統領のアメリカによる欧州離れは継続するのではないかと思われます。

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バイデン新政権が抱くEUへの懐疑論

その背景には、バイデン新政権が抱く欧州(EU)への懐疑論もあります。トランプ政権下で一度、欧州の中国離れが加速し、やっと自由主義社会による対中包囲網が強化されるかと思った矢先、すでにバイデン政権誕生が確実視されていた12月30日に、EUは懸案だった中国との投資協定の締結に漕ぎつけ、“中国とは切れていない”ことが露呈しました。

ブリンケン国務長官の言葉を借りると、「EUはアメリカと中国を両天秤にかけて、それぞれから何かを引き出そうとし、再度、国際舞台での主導権を狙いに来ている」という見解がバイデン政権内では強まっている様子です。

一応、言い訳をするかのように、2021年に入ってから、フォンデアライデン委員長をはじめ、ドイツのメルケル首相も、「欧州は中国の脅威を認識し、中国への傾倒と中国の影響力の伸長を警戒するので、ASEANそしてインド・太平洋とのパートナーシップ強化に注力する」とのコメントを出しています。

しかし、バイデン政権内では「直接的に接していない“アジア”での欧州の影響力が削がれることを警戒しているだけだろうが、そもそもどうしてアジアで起こることを、いちいち欧州に相談しなくてはならないのか?」との意見が早速出ています。

つまり欧州サイドからも、米国サイドからも、期待されている大西洋を挟んだパートナーシップと連携の強化という期待に対して、双方向での不信感があるということになります。

ロシアも中国も、トルコも、中東アラブ諸国も、そんなことはもちろん知っていますが、特段、ちょっかいを出すことはなく、今のところ、米欧の“仲直り”がうまくいくかを眺めているだけと思われます。

そのような中、異彩を放つのが英国の存在です。

EUに取り込まれていたしばらくの間、Trans-Atlantic Great Alliance(大西洋をまたいだ偉大な同盟)と言われた「特別な関係」の影は薄くなっていましたが、かつてチャーチル首相も、サッチャー首相も言っていたように、ジョンソン政権とバイデン新政権は、かつてのような【特別な関係】に回帰していくようです。

すでに英国の目はドーバー海峡方面から、大西洋の向こう側に注がれ、まるで相思相愛とでも言うかのように、バイデン政権の外交安全保障部隊は、ロンドンへ熱視線を送っているようです。

それは、バイデン政権が、英国のアジアへの“再進出”を後押しし、英国がASEAN各国と結ぼうとするFTAを実質的にサポートする動きを出していることからも分かります。

TPPへの復帰は、バイデン政権下でも議会での懐疑派の存在もあり、なかなか困難かと思いますが、そのTPPに英国が加盟をしようとしていることに、バイデン政権がケチをつけるような雰囲気はなく、逆に後押しているとも聞きます。

ちょっと意地が悪い見方かもしれませんが、21日のCNNでのコメントでも触れた通り、これはどっちつかずのEU(ブリュッセル)の姿勢に対する皮肉ではないかとも思われます。

今後、米欧関係がどうなり、米英の連携がどうなるのか。非常に注目です。

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トルコに対しては厳しい姿勢か

では、他の地域はどうでしょうか?対アフリカ、対ラテンアメリカ諸国の政策は、トランプ政権の米・メキシコ国境の壁政策以外は、さほど変わらないかと思います。どちらにも中国の影、ロシアの影がちらつくという緊張感は満載ですが、主戦場にはならないと思われます。

とはいえ、東アフリカで悪化の一途を辿る安定(例:エジプトとエチオピア政府との間でのルネッサンスダム問題、ケニアとソマリアの断交問題、エチオピアでのTPLF問題、二つのスーダン…)については、バイデン政権としてはしっかりとグリップし、有事の際にはアメリカが収めにかかるという姿勢を明確にしておく必要があるかと考えています。

直接的な関与はなくとも、一応、アメリカのテロリズムに対するグローバル戦略の重要拠点となるエリアには変わりはなく、かつ中東諸国の安定を見守るセンターともなるため、誰の目からもcredibleなコミットメントが必要だと考えています。

中東地域については、バイデン政権は大きな問いにぶつかることになるかと思います。

トランプ大統領が政権末期にイスラエルとアラブ諸国との間の融和を進め、すでにUAE、バーレーン、スーダン、モロッコとの国交樹立を仲介しましたし、駐イスラエル米大使館を首都テルアビブからエルサレムに移転したという“現状”は継続を余儀なくされていると思われます。

エルサレム問題については、バイデン大統領の支持基盤においても対ユダヤ人への配慮が重要になっていますので、直接的に良いとも悪いとも触れないまま、現状が維持されるものと見ています。

またイスラエルとアラブ諸国との間の国交樹立についても、それをキャンセルするような動きは取れず、こちらも「対イラン包囲網(そして対トルコ包囲網)」として機能することを認識しつつ、バイデン大統領としては特段、自らコメントはしていません。

現状を維持することで、バイデン大統領の腹の内を探り、警戒心を高めているイスラエルやサウジアラビア王国、他のアラブ諸国からのbacklashを回避するのだと考えます。

イランとの関係改善とイラン核合意への復帰を目指す米バイデン政権ですが、適度な圧力をイランにかけ続けるという意味でも、先ほどのイスラエルとアラブの結託というstatus quoについては尊重するものと思います。もちろん、これはイラン指導部との綱引きという様相も呈していますが…。

同じ中東地域でも、バイデン政権はトルコに対しては厳しい姿勢で臨むのではないかと思います。

大統領選時から、バイデン大統領はトルコの自由奔放で同盟国の結束を乱すような行いを批判し、エルドアン大統領を独裁者とまでこき下ろしていましたが、原理原則を重んじるバイデン氏としては、アメリカや欧州各国とNATOを通じた同盟国でありつつ、ロシアから武器を購入して配備するという(バイデン大統領から見て)暴挙に出たことは許しがたいようです。

NATOの同盟強化にトルコを再度組み込み、対ロシア最前線基地としての立場と機能を回復・強化するためにも、バイデン大統領のトルコとエルドアン大統領に対する“風当たり”は強くなると見ています。

それに対して必ずしもwelcomeな姿勢を見せていないエルドアン大統領ですが、今後、EUやロシア、他の中東諸国、そしてイスラエルといった多面的なフロントで緊張を高めているトルコの苦境を脱するために「いかにバイデン大統領を使うのか」という策を練っていると聞きます。

アジアと欧州の要に位置し、かつ中東諸国に対してもグリップが聞く位置にいるトルコをどのように陣営に引き戻すことが出来るかが、バイデン政権にとっての中東・欧州・西アジア戦略の成否を決めるといっても過言ではないと思います。

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魔法のスマイル浮かべ韓国に大きな選択を迫るバイデン

最後に北東アジア情勢です。ここには対韓国と対北朝鮮の政策があります。

まず対北朝鮮については、すでに外交筋から聞いた話では、バイデン大統領とブリンケン国務長官、そしてホワイトハウスの国家安全保障会議内に新設されるアジア戦略トップのポジションにつくキャンベル氏は、北朝鮮からの挑発には応じず、同盟国との連携を通じて、北朝鮮の非核化を確実なものにするべく、圧力をかける方向に行くべきか、それとも戦略的無視の方向に行くべきかの協議がすでに始まっているようです。

後者の場合、オバマ政権下での“失敗”を想起させますが、前者の場合、カギとなるのは「韓国は頼りになるのかどうか?」というポイントです。

対韓国については、トランプ大統領時代にハリス駐韓アメリカ大使への侮辱やアメリカ政府をすっ飛ばした独善的な北朝鮮対策、そしてアメリカと国際社会についた嘘と誇張を、バイデン大統領とその政権も問題視しています。

トランプ前大統領のように完全無視ではないようですが、文政権から波のように押し寄せるラブコールには応じず、今後も応じない方針とのことです。

では、自由主義社会のメンバーから翻って韓国のレッドチーム化が進展するかといえば、任期があと実質的に1年ほどになった文大統領にそのようなかじ取りをする余裕も力の基盤はもうなく、すでに中国からも相手にされていない現状から、バイデン新政権が加わる新しい国際情勢において、このままでは韓国は居場所がないと言えるかもしれません。

ただ、バイデン大統領は魔法のスマイルを顔に讃えつつ、韓国に対してトランプ大統領でも迫らなかった大きな選択を迫るのだと思われますので、今後、韓国政府がどのような決断をするのか、非常に注目です。

最後に日米関係への影響です。私はトランプ大統領時代とさほど変化はないと見ています。

沖縄の基地問題や駐留米軍の負担問題などでは何らかの要求が来るものと思われますが、そこで日米関係をギクシャクさせるよりは、日米豪印で進めるインド太平洋戦略の深化が重要であると見ているようですので、対中国包囲網の要になると思われる日本に対しては、オバマ政権時代とは比較にならないほど、丁重に扱ってくるものと思われます。

日本通のカート・キャンベル氏のアジア戦略司令塔への任命だけを見ても、政権の日本重視が読み取れると考えています。

このような予測や見解も、実際にどうなるのかは、新型コロナウイルス感染症の拡大がいつどのように収まり、いつ頃、国際経済はコロナ禍から立ち直り、新たな社会経済構造を作り上げる作業にかかれるかにかかっていると言えます。

78歳という史上最高齢のアメリカ大統領の就任で、かつ国内はかつてないほどの分断の状態にある中、大統領に就任したバイデン新大統領。

ご祝儀というわけではないのですが、バイデン大統領とチームの手腕に大きな期待を寄せたいと思います。

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image by: mccv / Shutterstock.com

島田久仁彦(国際交渉人)この著者の記事一覧

世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。

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