中国狼狽。駐米台湾代表の大統領就任式「正式招待」に動揺する習近平

 

彼女は民進党の闘士として、数多くの活動に参加していました。私も彼女は駐米代表に最適と思っていますが、活動家出身の彼女は、これまでの学者などとは異なった才女だと思います。

きわめて大衆的はありますが、もっと在米の台湾人学者と交流があってもいいと思います。大使としていちばん大きな仕事は、在米台湾人の学者を引き付け、一丸として中国にあたることです。

それはともかく、上院外交委員会のジム・リッシュ委員長は、彼女のツイートをリツイートしながら、

「今日の就任式では、1979年以来初めて台湾が代表として参加しているのを見ることができ、とても嬉しく思います。新政権がこのような招待をしたことを称賛するとともに、米台の関係が、われわれが直面する課題と地政学的現実に対応するために、さらに進展していくことを期待します」

とツイートしています。

このジム・リッシュ委員長は、香港の民主化デモを支持する「香港人権・民主主義法案」の共同提出者の一人でもあります。その他、中国の脅威に対抗するためにヨーロッパとの連携強化を呼びかける報告書を提出したり、台湾とアメリカのFTAに前向きだったりと、反中・親台派を鮮明にしており、上院での対中政策にも大きな影響力を持っている一人です。

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台湾としても、バイデン政権の台湾政策や対中政策がいまひとつ見えていないところもあったため、ひとまずは明るい話題です。

その他、台湾ではバイデン大統領の動きを速報で、次々と伝えています。たとえば、バイデン大統領が就任早々、17の行政命令や覚書に署名したことも、いちはやく報じました。その中には、トランプ政権で出された命令を覆すものも多く含まれています。

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一方、バイデン新大統領の就任式のさなか、中国外務省は、ポンペオ前国務長官やオブライエン前大統領補佐官など、トランプ政権の高官28人に対して制裁を科す声明を出しました。28人は中国、香港、マカオに入ることが禁じられ、関わる企業や機関が中国側と接触したり商取引をしたりすることが制限されるということです。

この声明を出したのは、大統領就任式の最中で、中国では夜中ですが、わざわざその時間を狙ったということなのでしょう。

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しかも、中国外務省は発表文で、制裁対象者は「一連の常軌を逸した行動を計画、促進、実施し、中国の内政に深く干渉して中国の国益を損ない、中国の人民を攻撃し、米中関係を著しく悪化させた」などと批判しています。

1月19日には、ポンペオ前国務長官が中国のウイグル弾圧を「民族浄化」(ジェノサイド)と認定しました。これにより、バイデン政権は何らかの制裁を中国に課す義務が出てくるとも言われています。新政権に対して、圧力をかける意味もあるのでしょう。

それにしても、いくら前政権の高官だとはいえ、祝賀ムードに水を差すようなやり方です。

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