小さなお店ほど効く「マーケティング」の話。照れずにSWOT分析してみよう

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店の強み、弱み、課題、ドメイン

市場の機会・脅威を分析したら、次はお店の強み・弱みの分析です。

【店の強み】

・B社長はパッケージ、販促物のデザイン能力があり、季節感の表現がうまい
・Yさんは衣装やアクセサリーのコーディネート能力がある
・Yさんは接客力が高く、惜しまれて貸衣装チェーンを退職した
・B社長もYさんもネイリスト専門学校に通い、技術を身につけた
・店舗の賃借料は格安である
・店舗の手作り内装は、落ち着く雰囲気で高い評価がある
・商店街の他店とも良好な関係を構築している
・デザインがネット上で評判になり、顧客が増えている
・固定客が50人前後いる

【店の弱み】

・店舗は商店街の中心部から離れた立地である
・店舗は築後年数が経っている
・顧客2人で満員となる、狭く細長いスペースの店舗である
・顧客が自分の希望のデザインを言葉で伝えるのが難しい
・店からの近さを理由とする顧客は、オプション注文が少ない
・数値計画が立案されていないようである

さて、あなたはこのSWOT分析から、どんなマーケティング戦略を考えるでしょうか。

その前に、「この店の課題」を引き出す必要があります。私が考えた課題は、次のことでした。

【課題】

・年間の計数計画を立案・実行する
・顧客の期待以上の提案をして、顧客の増加を図る
・顧客の固定化を一層進める
・競合大手チェーンや個人サロンとの差別化を図る
・貸衣装業界の予約会や町内会、商店街主催のイベント活用をする
・さらなるSNSの活用を進める。

そして、これらの課題を解決するために、「ドメイン」を決めておく必要があります。「ドメイン」は、「誰に、何を、どのように」提供するかということです。事例からは、現状のドメインは次のように読み取れます。

【これまでのドメイン】

・誰に:周辺に住む40代の女性
・何を:店舗から近い利便性、デザイン性の高さ
・どうやって:顧客からの紹介で固定客を獲得する。完全予約制で顧客を囲い込む。写真アプリ投稿で技術力を知らせる

これを、次のように変更してはどうでしょう。

【これからのドメイン】

・誰に:近隣の高級住宅地に住む、20代~50代のおしゃれな女性
・何を:女性の、周囲から愛されたいというニーズ、差別化されたオリジナルデザイン
・どうやって:アンバサダーによるお客様の口コミ。SNSを活用したお店からの積極的な情報発信

ドメインが決まれば、いよいよマーケティング戦略です。

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