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東日本大震災から10年、地震予測の権威が指摘する「いま警戒すべき3地域」とは?最新リモートセンシング技術が日本列島の異変を捉えた

2011年3月11日、日本史上最大の地震「東日本大震災」が発生してから、今年でちょうど丸10年。当時、日本列島を未曾有の危機に陥れたこの大震災の「予兆」を観測しながら、事前に情報を発信できなかったことを後悔し続けている研究者がいます。測量学の権威で、地震予測の第一人者である村井俊治東京大学名誉教授。そんな村井教授が「地震予測で人々の命を救いたい」と2人のメンバーとともに2013年2月に創刊したのが、メルマガ『週刊MEGA地震予測』です。今回、同メルマガを発行する「JESEA(ジェシア 地震科学探査機構)」の橘田寿宏さんに、地震予測に掛ける思いや最新の予測技術、さらに「いま大地震が懸念されるエリア」についてお伺いしました。

2021年 地震予測の最前線と警戒すべき3つの地域 ~東日本大震災から10年

第1章 週刊MEGA地震予測の想いと取り組みについて

【週刊MEGA地震予測の想い】

あの東日本大震災から約2年。2013年1月17日木曜日、JESEA(ジェシア 地震科学探査機構)は東京・南青山の小さな事務所で産声を上げた。
メンバーは、村井俊治、橘田寿宏と谷川俊彦の3人だった。

資本金600万円でスタートしたが、情報を配信するためのアプリ制作に1000万円程度のお金が必要と聞き、途方に暮れていたところ、橘田の友人で映画監督の岩井俊二さんが「メルマガでやればお金をかけず情報を発信できる」と、「まぐまぐ!」を紹介してくれた。

「まぐまぐ!」の有料メルマガ購読料は当時、月800円が相場であったが、我々『週刊MEGA地震予測』はなんと200円でスタートした。それは地震予測という性格上、こどものお小遣いでも購読できる価格にしたいという気持ちがあったからである。

第一回配信は2013年2月7日木曜日(当時は木曜日配信であった)でコンテンツの分量はA4換算で2枚、購読者は24人であった。

会社設立のきっかけは、2011年3月11日の東日本大震災発生前にデータの異常を知っていながら情報を発信できなかったことを悔んでいた村井俊治東京大学名誉教授の「地震予測で人々の命を救いたい」という想いに2人が賛同したことである。

村井俊治東京大学名誉教授

この想いは、その後に加入したスタッフ全員にも浸透し、いまでも変わることはない。

【地震予測への取り組み】

2013年にJESEAを設立して以来、地震の被害から「人の命を救う」ことを目標にして、地震予測に関して「あらゆる可能性を排除しない」方針で地震の前に現れる様々な前兆現象を追求してきた。研究を進める中で明らかになったのは、地震は極めて複雑な現象であり、従来のような「プレートの沈み込みと活断層」の単純な仮定のみでは正確な予測ができず、様々な科学的観点から前兆を把握しなければならないということだ。JESEAではおよそ10種類の方法を予測に活用している。

地震の主役である地殻変動の異常のみならず、様々な副因によって地震が誘発される実態も明らかになった。

「いつ」「どこで」「どの程度の規模の」地震が起きる可能性があるかの予測は、数多くの前兆現象を総合して初めて正確な予測ができるのである。

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第2章 この8年の地震予測の進歩と、体制上・技術上のトピックについて

【中国・北京工業大学や民間人の技術を導入】

当初は、村井俊治と当時顧問を務めていた荒木春視氏の二人が開発したGPSを利用して「地殻変動」から地震を予測するのが唯一の方法であった。

橘田と谷川はそのデータを図表に展開する技術がなく、読者に満足ゆく内容を提供することができていなかった。村井は日々新しい地震予測方法を研究し、橘田と谷川はGIS(地理情報システム)技術の習得に励んだ。

その結果、徐々に図表も充実し、メルマガの分量も増えていった。

その頃、かつて村井が会長を務めていた国際写真測量・リモートセンシング学会のメンバーから、中国の北京工業大学の地震研究所で面白い地震予測をやっているという情報が入った。我々はすぐにアポイントを取り会いに行った。

ここで一つの重要なキーワード、「リモートセンシング」が出てくる。「リモートセンシング」は地震予測には欠かすことのできない技術だが、これについては後ほど詳しく説明することにして、話を北京工業大学に戻す。

そこでは様々な地震予測方法をおこなっていたが、中でも人間の耳には聞こえない「インフラサウンド」による地震予測方法が目を引いた。さっそく我々にもそのセンサーを分けてもらえるようお願いし、一年後には受け取ることができた。これは現在も地震予測に利用している。いま2台目を発注済みで、まもなく新しい機器でも観測が始まる。また、今回から北京と台湾と東京をネットワークで結び、より精度の高い地震予測を目指すことに挑戦する予定だ。

さらに、民間人で地震予測をコツコツ行っているという大阪在住の中村文一さんからも気温の変動を利用する新しい地震予測方法をお聞きした。その後、中村さんと村井の二人で研究を重ねて特許も取得した。

村井はその他、様々な新しい地震予測方法を開発し、JESEAとして6つの特許を取得している。

【最新の地震予測「気象衛星画像判読」とは】

現在、最もホットな地震予測を紹介しよう。中国南陽師範大学で災害リモートセンシングの研究をしていた理学博士の郭広猛教授と村井との間で、約2年間にわたり研究してきた「気象衛星画像判読」による地震予測である。

この技術を使って約2年間で11回地震を予測し、10回がほぼ的中していた。

郭教授は、昨年11月に来日し、JESEAのスタッフに加わり主席研究員として日々研究をおこなっている。彼の加入はJESEAの大きな飛躍の始まりである。

現在、その「気象衛星画像」に異常が出ている。JESEAではこの異常が大きな地震に繋がると考えており、第4章で詳しくお伝えしたい。

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【JESEAが取り組む様々なリモートセンシング技術】

地球は太陽・月・多くの惑星などの影響を受けながら、刻々と変動を続けており、日本列島も同じく様々な影響を受け変動している。

変動する地球、あるいは日本列島の内部的、外部的な変動に影響を及ぼす外力の実態を、直接目で見て観測することは不可能だ。地震が起きる数十キロの地下の深い場所を、直接観測する科学技術が存在しないためである。だからこそ、地下から地中を通じて地表・空中・宇宙に現れる間接的な現象は、リモートセンシング技術で観測・監視し、予測せざるを得ない。

このリモートセンシングとは、簡単に言えば「リモートで観測する技術」である。直接手で触れたり肉眼で観察したりすることなしに、気象衛星やセンサーを利用して、さまざまな現象を観測することだ。

地震予測の主役である地殻変動をとらえるには、「地殻がどれほど動いたか」を正確に観測・測量する必要がある。他にも、地震の前に地下深くで発生する異常な地磁気やインフラサウンドをとらえるために、数々のセンサーによる観測が必要だ。地震の前兆をとらえ、地震を予測するためには、何よりもリモートセンシングの技術が必要とされるのである。

JESEAの会長を務める村井俊治東京大学名誉教授は、アジア人で初めて国際写真測量・リモートセンシング学会の会長を務めた、リモートセンシングの第一人者だ。

第3章 いま、警戒すべき3地域

第1位 東北地方~北海道太平洋岸
第2位 北信越地方
第3位 首都圏・伊豆諸島・伊豆半島 

日本の国土は刻々と変化している。毎日数センチ動いては戻る。時には戻らない場合もあるし、戻り過ぎることもある。

日々観測することにより日本列島の「健康診断」をしている。その傾向と診断の結果は第4章でお伝えすることにする。

(以下、第4章はメルマガ『週刊MEGA地震予測』をご登録いただくと、初月無料でお読みいただけます。この機会にぜひご登録ください)

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image by: Shutterstock.com

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