浅間山で火山性地震が増加。1931年「西埼玉地震」に酷似する前兆

2020.06.24
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by gyouza(まぐまぐ編集部)
image by: 気象庁(1931年1年間に発生した地震分布図)image by: 気象庁(1931年1年間に発生した地震分布図)
 

NHKニュースなどの報道によると、気象庁は、浅間山で20日から火山性地震が増加し、地下の熱水や火山ガスの動きを示すと考えられる「火山性微動」が観測されたとして、現在の「噴火警戒レベル1」を継続し、今後の噴火に対して注意を促すとともに、火山活動が活発化すれば警戒レベルを引き上げる可能性についても注意を呼びかけました。

この浅間山の噴火兆候について、一つ思い起こされることがあります。1931年(昭和6年)に発生した「西埼玉地震」です。

1931年発生の「西埼玉地震」とは?

さて、「西埼玉地震」と聞いてピンとくる人はほとんどいないのではないでしょうか。あまり聞き慣れない地震なのかもしれませんが、関東平野で発生した内陸地震としては過去最大級のものです。以下、気象庁が作成した「活断層の地震に備える -陸域の浅い地震- 関東地方版(2017年2月)」(※注意:PDFが開きます)の一部を引用してみます。

1931年の埼玉県北部の地震(西埼玉地震)

1931年9月21日に埼玉県北部でマグニチュード6.9の地震が発生し、関東北部を中心に広い範囲で震度5を記録しました。この地震により、死者16人、負傷者146人、住家の全半壊200棟などの被害がありました。被害は利根川や荒 川沿いの低地(沖積平野)で大きく、また、地下水や土砂の噴出(液状化現象)や地すべりも多く発生しました。

上記の通り、埼玉県の寄居町付近を震源とするM6.9の内陸地震で、震源の深さはたった3kmだったと推定されています。地震発生当時は、まだ埼玉県に家屋が少なく、住宅も現在ほど密集していなかったため、地震の被害は大きくないように見えますが、それでも200以上の家屋が全半壊、死者も出ています。この当時の状況と、茨城・千葉・栃木北関東の南部と関東東部を中心に地震が頻発している現在の状況が、いろいろと酷似していることがわかりました。過去の地震データから一体、何が浮き彫りになったのでしょうか。

酷似する「1931年」と「2020年」の地震発生

気象庁の「震度データベース検索」で、1930年9月から1931年9月の西埼玉地震発生までの1年間に発生した震度3以上の地震と、2019年6月20日から2020年6月20日までの1年間に発生した震度3以上の地震を比較してみました。

1931-2020

image by: 気象庁「震度データベース検索」(左:1930-1931 右:2019-2020)

左が1931年の西埼玉地震が発生するまでの地震発生状況、右が2020年までの1年間に発生した地震発生状況です。千葉沖や福島沖、茨城の南部で同様の規模の地震が発生していることがわかります。また、埼玉県北部で発生している赤い丸が、件の「西埼玉地震」です。

上記の比較を見て気付くのは、伊豆半島と富士山周辺で連続発生している地震がないことでしょうか。伊豆半島と富士山周辺で今後、地震が頻発することになれば、同様の地震が発生する前兆なのかもしれません。

浅間山の噴火兆候との関係は?

話を最初に戻します。気象庁が20日から群馬県の浅間山で火山性地震が増加しているというニュースをご紹介しましたが、1931年9月21日に発生した西埼玉地震のおよそ2週間ほど前、同様に浅間山で小規模のマグマ噴火が発生していたのです。以下の気象庁の記録をご覧ください。

● 浅間山 有史以降の火山活動(気象庁)

1931(昭和6)年3、6~ 7 月に1~数回の噴火、降灰。8 月は活発に活動し噴石、降灰など。特に20 日に遭難3 名、爆発音の外聴域出現。9 月前半に数回噴火、降灰、噴石

9月前半の数回の噴火を記録したわずかひと月も経たない同21日に、M6.9という規模の内陸地震が発生したのです。

今後、警戒すべき「前兆」は?

以上、関東周辺で発生する可能性が高い、内陸地震の前兆について、1931年に発生の「西埼玉地震」発生前と比較して検証いたしました。今後の発生までの前兆として、以下の現象が考えられます。

  • 伊豆半島で地震が連続で発生する
  • 富士山周辺でも地震が連続で発生する
  • 浅間山が数回ほど噴火する

この3点が重なれば、地震発生について警戒する必要がありそうです。

新型コロナウイルスの発生で、避難所などへの避難にも懸念の声が出ている中、真夏の地震発生となれば熱中症などの問題も出てきます。普段から避難経路の確認と、非常食の確保、そして地震に対する情報の収集を心がけてください。「天災は忘れた頃にやってくる」(寺田寅彦)

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image by: 気象庁(1931年1年間に発生した地震分布図)

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