【震度6強】福島沖M7.3地震の「前兆」が観測されていた。専門家が気付いた6つの異変

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13日夜11時7分ごろに発生した、福島沖を震源とするM7.3(深さ55km)最大震度6強という巨大地震は、あの東日本大震災から丸10年目を迎えようとしている東北地方、そして日本の全国民を震撼させた。

震度6強を観測した福島県、宮城県を中心に、北は北海道、南は広島県と広範囲に渡って揺れており、3日が経った16日現在も余震が続いている。

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image by 気象庁

気象庁は今回の地震を「2011年3月11日に発生した東日本大震災の余震」と結論づけたが、あれから10年という節目を迎える矢先の地震に誰もが驚いたのではないだろうか。

専門家が観測していた「福島沖M7.3」の予兆

そんな今回の福島沖地震発生の「予兆」を事前に観測していた専門家がいる。メルマガ『週刊MEGA地震予測』の発行者であり、地震予測の権威として知られる村井俊治東大名誉教授が取締役会長をつとめる「JESEA 地震科学探査機構」だ。

15日発行の「夕刊フジ」によると、村井教授は昨年12月29日発売の同紙新春特別号にて「震度5弱から6程度が(21年の)1-2月に発生する可能性もある」との予測を出していた。

その予測の根拠となったデータは何だったのだろうか? それには、そもそも村井教授とはどのような人物なのかについて知る必要がある。

村井俊治東大名誉教授とは?

今回の地震について『週刊MEGA地震予測』の発行者として予測を出した、「JESEA 地震科学探査機構」で取締役会長をつとめる村井俊治・東京大学名誉教授は、もとは地震学の専門家ではなく、「測量工学」の研究者である。

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村井俊治・東京大学名誉教授

村井教授は、専門の測量工学が地震予測に応用できるのではないかと考え、地殻変動と地震発生の相関関係を調べたところ、過去に発生したM6以上の地震162件のうちのすべてで、発生前に「地殻変動の異常」があることを突き止めた。村井教授は、地震の多い日本に「地震予測」は欠かせないものであると考え、2013年1月に「JESEAジェシア(地震科学探査機構)」を立ち上げ、メールマガジン『週刊MEGA地震予測』の配信をスタートさせている。

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「JESEA 地震科学探査機構」が捉えた6つの前兆

その村井教授が取締役会長をつとめる「JESEA 地震科学探査機構」では今回、福島沖M7.3の地震について「6つの前兆」を捉えていたという。それが、以下に示すデータだ。

前兆その1:高さ方向の異常

 2月10日配信の『週刊MEGA地震予測』では、以下の図1のように「週間高さ変動」が岩手県および福島県に計4点(黄色の点)現れており、「隆起エリアの中の隆起の度合いが変わるライン近辺に連なる形で現れています」と述べていた。

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前兆その2:水平変動の異常

同じく2月10日配信の『週刊MEGA地震予測』にて、「水平変動が途切れる岩手県北部および福島県はひずみが溜まっていると考えられます」と報告していた。

まず「前兆1」については、図1を見ると「黄色い点」が4点ついているのがわかる。オレンジもグリーンも隆起を表しているが、隆起の速度が異なるという。つまり、隆起速度の違いがひずみを生み、ここ1週間で大きく変動したことを示している。

「前兆2」については、常に陸のプレートと海のプレートは押し合っているが、「海のプレートのプレッシャーが、東北地方太平洋岸により大きなひずみを生んだ」と考えられるという。

前兆その3:10年間の隆起の速度

2011年3月11日の東日本大震災では東北地方太平洋岸は大きく沈降したが、その後は隆起していたという。2011年の震災から2020年12月31日まで約10年間に青森県八戸、岩手県釜石、宮城県女川、福島県浪江、茨城県鉾田、千葉県銚子の太平洋岸の代表的な6点の隆起速度を検証。宮城県が一番隆起が激しく、次いで岩手県、福島県、茨城県、千葉県、青森県の順だったという。

隣り合う2県の隆起の速度を比較すると、震源に近い「宮城県」と「福島県」の2県の隆起の速度の差が一番大きく一番ひずみが溜まっていたと考えられるとしている(図2)。

図2

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前兆4: ミニプレートの境界

村井教授が開発した「ミニプレート理論」(JESEAの特許技術)では、ミニプレートの境界周辺は異なる方向の変動が起きるため、ひずみが溜まりやすいことが検証されている。震源は海域だが、図3に示した2020年版ミニプレート図と震源を重ね合わせてみると、海域のミニプレートの境界は分からないが、福島県南部のミニプレート境界の延長線上にひずみが溜まっていたと考えられるという。

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前兆5: 疑似気温の異常

地震の約2週間前までに、通常考えられない疑似気温の異常変動が現れる。JESEAでは疑似気温変動と地震発生の相関分析を3年近くおこなっている。今回の地震の12日前、7日前、6日前にあたる2月1日、6日、7日に福島県で異常を示した測候所の個数が極めて多くあったという(図4参照)。

図5

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前兆6: インフラサウンドの異常

「インフラサウンド」とは「非可聴音」とのことで、大きな地震の前には地下深くで岩盤が押し合い、圧電効果によって電磁波やイオン、ラドンガスなどと同じく「インフラサウンド」も発生すると考えられる。

今回の地震は2日前、1日前、当日に「インフラサウンド」が現れたという(図5)。

図6

図5

以上、今回『週刊MEGA地震予測』が事前に捉えた「6つの前兆」をご紹介した。これらを観測することで、今後発生するかもしれない巨大地震を事前に周知させることも夢ではないだろう。

メルマガ『MEGA地震予測』にかける思い

なぜ村井教授は地震予測に執念を燃やすのか、その理由はここにある。

実は村井教授には、あの東日本大震災の前兆を捉えていながら、情報を事前に配信できなかった過去の苦い経験があるからだ。その反省から、たとえ予測が外れたとしても、何か大きな異常や予兆があれば伝えるべきだと考えているという。村井教授は、過去に以下のような発言をしている。

「地震予測の世界はまだ発展途上ですから、予測が外れてご迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。しかし“異常を公表するも外れる”のと、“異常を公表せずに被害者が出てしまう”のとでは、後者のほうが罪深い行為だと思うのです。予測が当たる、当たらないといった声に惑わされることなく、もし異常を見つけたら恐れずに“異常である”と発信する姿勢を貫いていきたいと思っています」

週刊MEGA地震予測』によると、今回の「福島沖」の異常については今後も詳しく分析していくとしている。どれほどの切迫度なのか、想定される震源や規模はどれくらいなのか、今後の配信を待ちたい。

備えあれば憂いなし

気象庁などの公的機関の情報を参考にするのはもちろん、地震の予知に関する研究を続けている機関の発行するメールマガジンを購読することも、防災に繋がる準備の一つではないだろうか。避難経路の確認、防災グッズの準備、そして地震メルマガの購読などで事前に情報を得ておくことは、来るべき巨大地震への備えになるだろう。今一度、改めて身の回りの「防災準備」をチェックしてみることをオススメしたい。

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