「まん防」に効果がない理由。政府が聞くべきノーベル賞受賞者4人の声

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5日、「まん延防止等重点措置」が適用された大阪は、「見回り隊」を組織し飲食店への監視を強化する取り組みを始めました。主に飲食業界の感染拡大を抑えようとしている政府や自治体に対し、「もっとできる対策がある」と声を上げるのは、メルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』著者で小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さん。石川さんは、今年1月にノーベル医学・生理学賞を受賞した4人の日本人科学者による声明を紹介し、「感染源対策」へと政策を転換すべきと訴えています。

まん防では防げない/「政策の根本的転換」のススメ

「まんぼう」と聞いて、最初なんのことかわからなかった方も多いと思う。正式名称は「まん延防止等重点措置」である。以下の点で、緊急事態宣言とは違う。

対象地域:【緊急事態宣言】政府が都道府県単位で指定/【まん防】知事が市区町村単位で指定
飲食店への対策:【緊急事態宣言】時短または休業の要請・命令/【まん防】時短の要請・命令(休業要請・命令はできない)
罰則:【緊急事態宣言】命令違反には30万円以下の過料/【まん防】命令違反には20万円以下の過料

今回、大阪府知事は大阪市のみ、兵庫県知事は神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市の4市を対象地域に指定した。増加傾向にある阪神間で感染者を抑え込もうという作戦だ。

コロナ対策は、経済との両立がカギだ。昨年は緊急事態宣言が功を奏して解除後には一時、元通りに近い生活を送ることができた。国民の我慢も限界に近かったこともあり「GO TO事業」も好意的に受け止められた。しかし、2回目の緊急事態宣言は効果も少なく、解除後すぐに危機を迎えている。

フランスはロックダウンを行い、国内旅行を全面禁止にした。諸外国に比べて日本はまだ普段通りの生活を送れている。この点は評価できるかもしれない。しかし、それはあくまでも「もっと大変な国もある」と言うだけで、日本にいる我々にとっては、「もっとできる対策があるだろう」と思ってしまう。

シンガポールや台湾を見ると、徹底的な感染源探索によりコロナを抑え込むことに成功している。やはり、日本のやるべきことは徹底的な感染源対策にあると言える。

1月に日本人のノーベル賞受賞者が声明を発表した。以下、記事を掲載する。

ノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典、大村智、本庶佑、山中伸弥氏ら日本人科学者4氏は8日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を政府が発令したことを受けて、医療崩壊の防止などを求める声明を発表した。4氏は、過去1年にわたる新型コロナ感染症の拡大がいまだに収束せず、首都圏で緊急事態宣言が出された現在の状況について憂慮を表明。

 

その上で、▽医療機関と医療従事者への支援拡充による医療崩壊防止 ▽PCR検査能力の大幅な拡充と無症候感染者の隔離強化 ▽ワクチンや治療薬の審査・承認の迅速化 ▽ワクチンや治療薬の開発に不可欠な産学連携への支援強化 ▽科学者の勧告を政策に反映できる長期的展望に立った制度の確立-の実行を求めた。(産経ニュースより引用)

陽性者との接触を知らせるアプリ「COCOA」の不備など開いた口が塞がらない事態が続いている。ここはノーベル賞受賞者の提言を真摯に受け止め、業界対策から感染源対策に政策を転換すべきだ。

image by:Luciano Mortula – LGM / Shutterstock.com

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1973年北海道足寄町生まれ。函館ラサール高校、早稲田大商学部卒。96年2月から2005年7月まで小沢一郎秘書。同年衆院選で北海道11区から民主党公認で立候補して中川昭一氏らを相手に落選、07年3月に繰り上げ初当選。09年再選。10年1月、政治資金規正法違反容疑で逮捕、同年2月に起訴。12年12月、三選。同年5月、議員辞職。2017年10月、妻・香織が衆院議員に初当選。同月、公民権が回復。政界復帰に向け、コツコツと活動中!!! 著書『悪党』は5万部を超える大ヒット作に。そのほか、『雑巾がけ』など著書多数。

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