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最近よく眠れない人は「コロナ鬱」かも?対処法を心理学者がレクチャー

昨年春、政府により緊急事態宣言が発出される前後には既に聞かれるようになっていた、「コロナ鬱」なる言葉。それから1年以上を経た今となっても、新型コロナウイルスの脅威は世を覆い続けています。そんな状況下でコロナ鬱に襲われたとしたら、私たちに乗り切る術はあるのでしょうか。今回のメルマガ『富田隆のお気楽心理学』では著者で心理学者の富田隆さんが、コロナ鬱を「反応性の鬱病」と定義し典型的な症状を紹介するとともに、その対処法をレクチャーしています。

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コロナ鬱をぶっ飛ばせ!

【鬱病だらけ】

「コロナ鬱(うつ)」という言葉が流行しています。ただでさえ、巷(ちまた)には鬱病患者が溢れているというのに、もうこれ以上、おかしな「鬱」を増やさないで欲しい、と思うのは私だけではないでしょう。

と申しますのも、最近では、「好きなことをやっている時は普段と変わりないのに、仕事や勉強をしなければならない状況になると鬱状態になる」といった非定型(典型的ではない種類)の「新型鬱病」のようなものまで登場する(というよりも、医者たちがそんな病名を発明する)始末だからです。

こうした「新型鬱病」に対しては、「いくら何でも、それって、ただの『わがまま』なんじゃない?」と、首をひねりたくなります。まあ、70年代初頭の学園紛争の時代から、精神医学界の混迷ぶりには定評があり、近年、ますます社会常識からの乖離(かいり)が目立つようになりました。

私なんぞは、お医者さんたちがお客(患者さん)を増やしたくて、あれこれ新しい病名を創り出したり、「診断」基準をユルユルに拡げたりしてるんじゃないの?とついつい疑ってしまいます。ですから、「〇〇鬱」などと目新しい用語が出てくると、拒絶反応が生じるのも無理からぬことだと考える次第です。

ただ、「コロナ鬱」というのは、ちょっとこれらとは違います。もちろん、コロナビールを飲みたいのに手に入らなくて鬱になった、というような奇妙な話でもありません。「コロナ鬱」という言葉は、昨年来世界中で大騒ぎになっている新型コロナウイルス肺炎の流行や、その対策に伴なう自粛生活、テレワークなど不慣れな仕事や不自由な生活環境、といった一連の「社会的な災厄」が原因となって発症する「鬱病症状」のことを指しています。実際、「緊急事態宣言」が長引いたせいで商売が行き詰まり、鬱状態になって自殺、といったケースは「コロナ鬱」の典型でしょう。

ですから、「コロナ鬱」で現れてくる症状は、先に触れた「新型鬱病」のようないかがわしいものではなく、昔の教科書にもあるような「典型的」な鬱の反応ばかりで、ある意味、鬱病としては「伝統的」で、正統派!?に属するものなのです。決して、奇をてらったものでも、診療報酬の拡大を狙ったものでもありません。

要は、新型コロナウイルス肺炎の流行やそこから派生した社会状況が「原因」となった鬱病の症状ということです。「コロナ鬱」という名前は新しくても、そこに現れてくる症状はきわめて「古典的」なものと考えて良いでしょう。

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【地獄への降下】

鬱病の特徴は、まず「気分の変調」があることです。

「気分が落ち込む」、「イライラする」、「何をやっても楽しく感じない」、「泣きたくなる」、「物事が悲観的に見える」、「死にたくなる」。

これらは、失恋した時の気分に近いかもしれませんね。青空の広がる良い天気でも嬉しくない。それどころか、この世が終わるかのように感じてしまう。テレビのお笑い番組を見ても、ただただバカバカしいだけ。理由もなくイライラしたり、理由もなく涙がこぼれる。鬱病の人は、そんな悲しくて暗い世界に生きています。

そして、こうした気分の変調は、当然、精神の機能や「パフォーマンス」にもネガティブな影響を与えます。「物事に集中できない」、「物忘れが多くなる」、「ミスが増える」、「頭の働きが遅くなる」、「眠れない」。

鬱病はしばしば「不眠症」を引き起こすことがあります。そして、よく眠れないと、仕事や学業にも集中できません。また、身体のあちこちに、覚えのないアザや傷があったら、それは、身体をうまくコントロールできずにいる証拠です。自分では意識していなくても、「ミス」や「失敗」が増えていいるのです。「頭の回転」も鈍くなり、簡単な問題も解けなくなったり、解くのに時間がかかったりします。まるで、速度の遅い旧型のコンピュータのようです。

こんな状態が続けば、自然に「意欲」も減退します。「やる気が出ない」、「仕事や学校に行きたくない」、「人に会いたくない」、「スマホやネットもチェックするのが面倒」、「性欲が湧かない」、といった「無気力」な精神状態と消極的な生活態度に陥り、ずっと「引き籠(こも)る」ことにもなりかねません。極端な場合は、「生きることへの意欲」すら衰えてしまいます。

こうした精神面と行動面での落ち込みや機能低下は、しばしば、「体調不良」や「身体的な病気の諸症状」を引き起こします。「心身相関」という言葉があるように、人間の精神と肉体は、緊密な相互関係にあり、一方が不調に陥れば、もう一方にも不調が現れるのです。

「頭痛」や「微熱」がある、「めまい」や「耳鳴り」が起る、さらに「動悸」がひどくなったり「胸が苦しくなる」こともあります。また、漠然とした「疲労感」を抱え続けたり、「倦怠感」が抜けないといった具合に、様々な体調不良を訴えるようになります。さらに、身体症状が「消化器系」に現れることもよくあるのです。「食欲不振」やその逆に「過食」に走ることもあります。「胃痛」「下痢」「便秘」などの症状も生じ易くなります。最近では、朝起きてみると、突然、「蕁麻疹(じんましん)」の発疹がお腹や胸の一面にできている、といった症状もしばしば報告されています。

このように、鬱という病気は、心と身体が、ゆっくりと地獄の底に降下していくような「悲劇的」なものであり、決して侮(あなど)ることはできません。たとえ軽い症状であったとしても、心と身体が「不適応」に陥っているのは確かなことですから、何らかの対策を講じる必要があります。

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【反応性鬱病】

鬱病には大雑把に2種類あって、第一は、大脳神経系の生理学的異常が原因となって生じる「内因性」の鬱病です。ですから、「内因性鬱病」は、その人の生活や社会環境に生じる「出来事」とは無関係に、脳の中で生じた生理現象のネガティブな変化によって引き起こされます。その人の身体の内部に原因があるので、「内因性」と呼ばれます。

こうした「内因性鬱病」にも、現在では良く効く「向精神薬(中枢神経系に作用して精神機能を改善する薬物)」が開発されています。これといった理由もなく気分が落ち込む、無気力でやる気が起らない、といったような、環境の側よりも自分の神経の側に原因がありそうな鬱状態を体験している人には、「精神科」や「神経科」、そして「心療内科」の医師に相談することをお奨めします。

また、内因性かどうかは別にして、気分変調だけではなく身体にも症状が出ている場合、「心療内科」の先生方は頼もしい味方になって支援してくれるはずです。

私が学生の頃とは違って、こうした「内因性鬱病」や「双極性障害(躁鬱病)」は薬物療法により治る病気になりました。「気軽に」といっても難しいでしょうが、何とか、専門医のいる医療機関まで足を運ぶ「勇気」が大切です。

そして、鬱病の第二のものは「反応性」の鬱病です。「反応性」とは、その人の生活する「環境」の側に、何らかの「原因」となる出来事が生じて、その結果としてその人が鬱病などを発症することを意味しています。

たとえば、恋人に振られて落ち込み、食欲不振で10キロ痩せた。仕事にも行っていないし、友達とも連絡を取っていない、といったケースは「反応性鬱病」と考えて良いでしょう。

もちろん、この「内因性」と「反応性」は微妙にクロスオーバーしている場合が少なくありません。この失恋のケースでも、患者に以前から鬱の傾向があったとすれば、そうした内因的傾向が重症化する「引き金」を失恋という経験が引いてしまった、というようにも考えられるわけです。要は、どちらの条件がより強く働いているのかという問題です。

しかし、今回のテーマである「コロナ鬱」は、明らかに「反応性」の鬱病と考えることができます。それらが、新型肺炎の流行や緊急事態宣言、自粛、失業、などの社会的「原因」によって引き起こされた鬱病的な症状だからです。

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【巨大過ぎる真犯人】

しばしば指摘される「コロナ鬱」の「原因」とは、以下のようなものです。

  1. 「感染」することへの直接的な恐怖や不安
  2. 間接的な「経済的打撃」などへの不安
  3. 「自粛」生活や「TV報道」によるフラストレーションの増加
  4. 「就労環境」や「日常生活」の変化に対する「不適応」
  5. 「運動不足」「生活習慣の乱れ」による精神身体的な症状

現代人はメディアを通して主観的な現実(と思っている)環境を造り上げるので、1.の「感染への不安」も多分に「TV報道」などの影響を強く受けています。

当初は、正体や挙動がよく分からない「謎の新型ウイルス」が相手でしたから、人々の不安も深刻になって当然でした。しかし、日本における新型コロナウイルスの死亡者数が例年のインフルエンザの犠牲者よりも少ないこと、そして、病気による年間死亡者の数はむしろ「減少」していること、また、重症者の数も、諸外国よりは少なく、米国の20分の1ほどであること、などが次々に明らかになるにつれ、本来なら、国民の不安は大幅に減少するはずでした。ところが逆に、TVなどのマスメディアは人々の不安を煽り続けたのです。

たとえば、ニュースなどでは、本来、新型コロナウイルスの感染を検出する指標にはなり得ない「PCR検査」の「陽性者数」をそのまま「感染者数」として発表し、大袈裟に危機意識を煽っています。検査の体制が整い、検査数が増えれば、「陽性者数」が増えるのは当然なのですが、そんなことはお構いなしで、人々に「緊急事態宣言」を受け入れさせ、「自粛」を守らせるためにこうした「虚構」の数字を振り回して、「第三波」だ、「第四波」だと騒ぎまくり、あたかも「非常時」であるかのような雰囲気を捏造しています。

それに、新型コロナウイルス肺炎による死亡と報道された有名人が、後になってから、死因が別の病気であったことが明かされる、といった例を見ても、いかにマスメディアが「扇動的」な方向で視聴者を怯えさせているかが分かります。

こうした大衆操作により形成された「世論」に便乗する形で、政府や自治体は「緊急事態宣言」なるものを人々に押しつけ、「自粛」を強制し、不要な場面でもマスクを付けさせることにより国民の体力を低下させ、「治験」途中の危険なワクチンを注意事項の説明すら省略して接種させようとしています。

しかも、こうしたピント外れで何ら予防に貢献することのない無意味で全体主義的な方策が強行されることにより、個人の自由は制限され、諸権利も剥奪され、それに付随して庶民の生活経済は衰退し、中小企業も次々に倒産、失業者が社会に溢れるという「実害」が生じてしまいました。そして、その結果、増加したのは自殺者ばかりです。

このように、マスコミと政府の一部、そして、それらの背後に潜む勢力によって計画的に引き起こされた日本社会の「破壊」が、先に列挙したような個別の原因を生み出しているのです。個々の実行犯の背後にいる「真犯人」はあまりにも巨大です。

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【元には戻れない】

もちろん、

等々、こうした対策も「コロナ鬱」への有効な対処療法となるでしょう。特に「体力」を維持し向上させることは、鬱病対策の必須アイテムです。また、好きな映画やゲームなどに集中することで得られる「気晴らし」の効果も、「気分の変調」への対策としては重要なものです。そして、SNSや電話などを通じて人とコミュニケーションを取ることには、鬱積した感情を「発散」する効果もあります。ネガティブな感情を一人で抱え込んでいてはいけません。友人と話すことで貴方の心が解放されます。

簡単なことのようですが、こうした小さなことの実践が、あなたを「地獄への降下」から引き上げてくれるのです。(メルマガ『富田隆のお気楽心理学』より一部抜粋)

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image by: Shutterstock.com

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